東京都知事選 ふわっとした民意つかんだ「石丸現象」メディアに突きつけたもの
演説を聞いた人やボランティアの人の反応は?
そばで演説を聞きに来ていた人に話しを聞いた。動画を見てファンになったという30代の男性は、「組織がついていなくて面白そう」という。また男子大学生2人組は、「カリスマ性がある」「自分の考えがしっかりしていて期待できる」と話した。 演説会場で後片付けをしていたボランティアの方にも声をかけた。60代の男性だったが、なんと兵庫県神戸市から駆け付けたのだという。男性はYoutubeを見てファンになったといい、石丸氏が厳しい顔の中に時折優しい笑顔を漏らすのがなんとも魅力的なのだという。 ボランティアの男性(64)は「もうすぐ年金暮らしの身だが日本の将来を考えると変えるとすれば、いましかない、この人しかいない」と思い立ち同じ空間に立ち会いたいと切に願ってやってきたのだという。 別の日にも数か所で石丸氏の街頭演説を取材したが、どこも同じような現象が起きていた。これまで政治や選挙にかかわってこなかった聴衆とボランティアがともに推し活をしているかのように盛り上がりを見せていた。 街頭演説を初めて見に来た女性2人組(7月5日千代田区での街宣) 「(Q生石丸さんは?)はじめてです、かっこよかった」 「言っていることが本当になりそうな期待感をもたせてくれる、というか言葉が強く素直なので期待してしまう」 別の女性2人組(7月5日千代田区での街宣) 「政治まったく興味なくて、恥ずかしいんですけど選挙いったことなくて石丸さんは初めて興味持たせてくれた方です。」 「(Q小池さんや蓮舫さんよりは?)そんなのダントツ」 「(Qどこが違いますか?)えっ?違いません?わかんないんですか?」 特に6月30日、選挙戦のラストサンデーだった銀座4丁目三越前の演説。午後4時からの演説には同じ日の3時間前に同じ場所で演説した蓮舫候補とほぼ同程度の人が集まった。いやむしろ交差点をはさんで石丸氏の街宣車の後ろから見ていた人がたくさんいたり、足を止めてふらっと立ち止まる人の多さでは上回っていたように思う。こういう現場の熱量は案外、選挙結果に反映されるようにも思う。 石丸氏の街頭演説は大体20分以内、応援弁士が話すケースはほとんどなくすぐに石丸氏が登場して語り始める。自己紹介、政策、伝えたいメッセージの3パートで構成され、それぞれのパートでうぐいす嬢のアナウンスで仕切りが入る。 そして撮影タイムを設けて動画、写真の拡散を図り、昼の街頭活動から夜のLive配信へと意識的につなげるコメントもみられた。 石丸氏に街頭演説について聞くと… 石丸伸二氏「(Q街頭とオンラインとでやり方、役割を変えているか?)それはあまり意識してない、そこにいる人、聞き手、視聴者にあわせています。そこにいる人をイメージして話しています。自分でこれという決めはない」