ラッキィ池田が黒木瞳から受けた「無茶振り」な振り付け
黒木)その「こんな人だったんだ」の前は、どんな人だと思っていたのですか? 池田)その前は、宝塚ご出身なので「清く・正しく・美しく」という感じだったのですが、清く・正しく・美しいけれど「ミュージカルとはこういうものだ」というものをお持ちの方だと……。 彩木)固まっている方だと思っていたのね。 池田)そう思っていたのですが、ある日、「どっちがいいですか?」と聞くと、選ばれたのが「え? こっちなんだ!」という方をチョイスされて、「なるほどね~」と思いました。 彩木)私たちもよく「少し壊す」ことを心掛けていますが、そういうところがあるのだなと。いい意味で、「面白い方向に壊す」と考えるのは難しいことですよね。 池田)ミュージカルは何曲もありますし、一辺倒だと面白くないので、ペアで組んだり、飽きさせないようにいろいろな要素を入れるではないですか。 黒木)では、私はいい意味でカオスだったのですね。 池田)めちゃめちゃいい意味でカオスだったのです。 黒木)その後もラッキィさんに無茶振りしましたよね。 池田)そうなんですよ。 黒木)時代劇でタップが踊れない方と一緒に「タップをやりたい」とか。 池田)しかも下駄で。 黒木)「よいやさ!」みたいなものをやりたいとか。明治座で2回ほどやりました。 池田)やりましたね。 黒木)今年(2023年)も! 池田)今年は何と朗読劇なのに! 黒木)私が「ダンスを取り入れたい」と言い出して……。 池田)ダンスシーンを入れたいと。 黒木)それを快く。 池田)しかもダブルキャスト! 彩木)でも、私たちもそういう黒木さんの発注には燃えるのですよね。「え?」とは思いますが。 池田)お題に燃えますね。 彩木)お題に、「ん?」と火がついてしまうのですよね。 池田)大喜利と言うか、「なるほど、このお題がきましたか」というような。 黒木)なるほど。そのときは私が脚本を書いたのですが、読んでいただいて「ちょっとえぐいですよ」と言ったら、最後は「笑いました」と言ってくださって。「共感する部分が一緒なんだな」と思い、嬉しくて、またお願いしました。