現役ドラフトに第2の大竹、細川、水谷はいたのか…ノムさん右腕の元ヤクルト編成部長が“成功球団”と“疑問の人選球団”を独自診断…「阪神、巨人、西武、日ハムの指名に大化け可能性」
第3回目の現役ドラフトが9日、非公開のオンラインで行われ、13人の移籍が決定した。ドラフト1位選手も、3人指名され、“下剋上日本一”の横浜DeNAのロングリリーバーの上茶谷大河(28)が、日本シリーズで対戦相手だったソフトバンクへ、広島の矢崎拓也(29)がヤクルトへ、ロッテの平沢大河(26)が西武へ移籍することになった。また初めて2巡目指名が行われ、広島が日ハムのサイドハンドの鈴木健矢(26)を獲得した。大化けの可能性がある選手の獲得に成功した球団とその人選に疑問符のつく球団はどこなのか。“再生工場”で知られる故・野村克也監督の右腕としてヤクルト、阪神などでコーチを務め、ヤクルトでは編成部長を務めた松井優典氏に独自視点で分析してもらった。 【映像】大谷の愛犬デコピン逃走の衝撃シーン
第3回目を迎える現役ドラフトの結果は、17時にNPBの公式サイトで発表される予定だったが、アクセスの集中によりサーバーがダウンして18時にズレ込むハプニング。それほど野球ファンの関心が強かったのだろう。 そして今回の人選には衝撃もあった。 元ヤクルト編成部長の松井氏は、「今回の現役ドラフトはハッキリと各チームの戦略の特徴が分かれた。計算が立つ実績補強型、阪神の大竹、中日の細川のような大化け期待型、日ハム水谷の成功例を追う若手ブレイク型、そしてワンポイント起用型、控えの補強型の5パターンだろう」と分析。中でも「来季の戦力であるはずの上茶谷、矢崎の2人がリストアップされたのは驚いた」という。 上茶谷はロングもできるリリーバー。今季は足の怪我もあり18試合、2勝2敗1ホールド、防御率4.37の成績に留まったが、昨季は46試合に登板している。矢崎も今季は、26試合、1勝1敗10ホールドで防御率3.60だったが、昨季はクローザーとして54試合に登板し、防御率2.81、24セーブをマークした。 「投手を補強したいヤクルトにとって絶好の補強となったのは矢崎だろう。コントロールに課題があり、昨季に比べて若干力は落ちたが、150キロを超えるストレートにスタミナもあり計算が立つ。上茶谷はロングができる貴重な右腕。横浜DeNAは、2年連続で防御率1点第のウェンデルケンもリリースしているし、なぜリストに載せたかが不思議。一方で阪神の浜地を獲得している。日本シリーズで中継ぎが故障して揃わなかったソフトバンクとしては、長いシーズンを考えると補強したかった部分だろう。実績型としては故障者が続出して中継ぎに誤算が続いたオリックスが獲得した西武の本田も付け加えていいのかもしれない。腕が遅れ出てきて打者はタイミングの合わない特殊なストレートが武器。今季は防御率が悪かったが、彼も計算は立つ。この3球団は今回の成功チームだろう」 入団時にサッカーの元日本代表と同姓同名であることで話題を呼んだ西武の本田圭佑は今季31試合、防御率4.11、1勝1敗10ホールドに成績に留まったが、2022年、2023年と2年連続で防御率1点台をマークし勝利方程式に組み込まれていた。 松井氏が、現役ドラフトの大成功例である阪神の大竹耕太郎(前ソフトバンク)、中日の細川成也(前横浜DeNA)のような大化けの可能性のある選手として注目したのが、阪神がライバル巨人から指名した30歳の畠世周、その巨人が日ハムから指名した25歳の田中瑛斗、そして西武がロッテから獲得した平沢の3人だ。 「畠は30歳という年齢から、先発、中継ぎ共に若手の出てきた巨人では出番はないのかもしれないが、手術した肘にさえ問題がなければポテンシャルはある。メンタルの弱さでその才能を生かしきれていないように見えたが、環境が変わり、危機感を持てば化ける可能性を秘めている。青柳晃洋が抜けた阪神は、もう一度、先発で使っても面白いのかもしれない。巨人が獲得した田中は、まだ25歳。私がヤクルトの編成時代にキャンプ巡りをして最も目についた若手の一人だった。ストレートのキレに加え、フォークが凄かった。肩を痛めるなどして、ほとんど1軍では実績がないが、彼も大化けする可能性を秘めている」
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