自分の髪の毛を抜いてしまう「抜毛症」や「パニック障害」… 4人に1人は心の病に 「心が弱いだけ?」 苦悩を抱える人々
(約20年間うつ病と闘う山田貴道さん) 「頭が鍋をかぶったように重いような。死んでしまいたい、ぱっといなくなりたいぐらいのしんどさはあった」 大学の歯学部に通っているとき、治療の実習がうまくできず“うつ病”に。20年経った今も、不眠症に悩まされています。薬を飲んで、寝られるかどうかという山田さん。月に1度は心療内科のクリニックに通い、抗うつ薬・睡眠薬などあわせて1日14錠の薬を飲む生活です。 (約20年間うつ病と闘う山田貴道さん) 「薬に依存しているというのは、もし大災害が起きたときとか、突発的に(薬が)手に入らない状況になったら、そこで僕は終わってしまう」 現在は障がい者手帳(2級)を持ちながら、大府市の老人ホームで理学療法士として働いています。 山田さんの場合も、闘病の支えになったのは職場など周りの存在でした。「心の病」の当事者サークル「シンセサイズ中部」。月に1回、瀬戸市でミーティングを開いていて、心の病の当事者やその親など約15人が悩みを共有します。1人で抱え込まずに治療できる病気だと実感できることが、患者にとっての救いになるといいます。 ■1人で抱え込まず、ほかの病気と同じように「気軽に治療」を 名古屋市立大学病院・こころの医療センターでは、抱え込まず普通の病気として気軽に治療を受けて欲しいと話します。 (名古屋市立大学病院こころの医療センター 明智龍男センター長) 「“心の病”というと、その人の心が弱いからと思われがちな面もあるかもしれないが、例えば熱が出れば内科に行く、けがをすれば外科に行くというように、(目には)見えないが心が傷めば気軽に精神科・心療内科などに通ってほしい」 抜毛症対策で、親指に付け爪をしている蓮さんの今の望みは、ささやかなものです。 (蓮さん) 「仕事で大きな成果をとか、人生の目標があるわけじゃないんですけど。この病気になる以前の食べ物や乗り物を気にしなくていい自分に戻れたら」
外からは見えづらい病気や症状を抱えた人も生きやすい社会にするために、どうしたらいいのか…心の病に、いつ、誰がかかってもおかしくない現代、社会全体で考える必要があります。 CBCテレビ「チャント!」11月29日放送より
CBCテレビ
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