「とどまってほしい」千葉・鎌ケ谷の地元ファンは落胆 日ハム、鎌ケ谷2軍施設の移転検討 市は応援強化決めた矢先、寝耳に水 大谷選手ら巣立った「聖地」
プロ野球日本ハムが、鎌ケ谷市の2軍本拠地(同市中沢)を1軍と同じ北海道へ移転する検討をしていることが13日、球界関係者の話で分かった。米大リーグで活躍するダルビッシュ有(パドレス)、大谷翔平(ドジャース)や、「ハンカチ王子」斎藤佑樹ら甲子園の“ヒーロー”らが巣立った、いわば「聖地」。鎌ケ谷市は球団を重要な地域資源と位置づけ、応援強化を決めた矢先で、まさに寝耳に水の話。市幹部が関係先への確認に追われた。地元ファンは「とどまってほしい」と残留を求める。 球団は「施設が老朽化している現状を鑑みれば、さまざまな検討を行うのは当然必要。現段階では何も決まっていない」とのコメントを出した。 日本ハムは1997年、鎌ケ谷スタジアムを2軍の本拠地とし、球場に隣接して若手選手の寮「勇翔寮」や室内練習場も設置している。1軍は2004年に東京ドームから北海道へ本拠を移したが、2軍は鎌ケ谷にとどまっていた。
鎌ケ谷市の施設や寮は、大谷、ダルビッシュのほか、上沢直之(松戸市出身、専大松戸高出)、有原航平らが入団後に練習生活を送り、その後米大リーグの舞台へ。また中田翔(大阪桐蔭)や斎藤佑樹(早実高)、清宮幸太郎(同)、吉田輝星(金足農高)ら甲子園を沸かせた球児が入寮した際はフィーバーに沸いた。 開設当初から、市は球団と連携して地域活性化や魅力発信に努めてきた。新入団選手歓迎式典と交流会を開催し、市長が「転入届」を手渡すのが恒例に。4月には、商工観光課内に新たにファイターズファーム連携推進室を設置。8月末に最初の本格的な応援イベントとして「鎌ケ谷デー」と題し、芝田裕美市長と市民らが北海道での観戦ツアーを予定する。 それだけに移転話は寝耳に水。市幹部は13日、市役所に急きょ駆けつけ、鎌ケ谷スタジアムの責任者に報道内容を確認。責任者は「老朽化の課題はあるが具体的な(移転)計画は一切ない」と回答した。芝田市長は「大変驚いている。今年度、積極的に応援に取り組んでいるさなか。具体化したものではないと認識している。(鎌ケ谷への)存続を求めたい」と話した。 日ハム2軍を応援する地元のファンらで作る「ファイターズ鎌ケ谷の会」の中村俊也会長は「会としてはコメントできない」としながらも「鎌ケ谷市民としては、とどまってほしいと思っている」と話した。