闇に浮かぶ白塗りの体が待ってましたと動き出す 気合十分、サドゥーの行進
クンブメラのハイライトのひとつが、サドゥーたちの行進だ。祭典の期間中、最も混雑するのが縁起の良い新月の日。体中に灰を塗りたくって何日も我慢しているサドゥーたちも、この日を待ちかねたように日の出とともにこぞって川に飛び込む。テントからガンジス川までの道のりを行き来する何千、何万というサドゥー達の姿は壮観でもある。 行進を撮るために、まだ暗いうちから彼らの寝起きするエリアを訪れた。彼らも起き出したばかりのようで、あたりの人影は少ない。テントの入り口から外の様子をうかがう二人のサドゥーの姿があった。
闇に浮かび上がる白塗りの体にぎょろりとした眼。何だか出番を待つ役者が袖から舞台を伺っているようにもみえる。考えてみれば、彼らサドゥーたちにとって、この朝の行進は、数年に一度の大舞台と言えるのかもしれない。 2013年2月/2010年1月撮影 ※この記事はフォトジャーナル<世界最大の宗教祭典クンブメラ>- 高橋邦典 第49回」の一部を抜粋したものです。