【異常事態】ツキノワグマ出没急増 去年の2倍以上で過去最多 来年度には“保護”から“管理”対象へ移行 共存するための理解を
FBC福井放送
今年に入って県内でツキノワグマの出没が急増しています。4月と5月の出没件数は統計開始以降過去最多となり、去年の同じ時期の2倍以上に達しています。 クマの出没は冬眠前の秋というイメージがありますが、まさに異常事態です。専門家は餌となる木の実が凶作だったことが原因と分析していて、自治体も対応に追われています。
■わなの設置の様子 「ハチミツです。仕掛けに使います」 クマの目撃情報が寄せられたあわら市では10日、市の職員が山中にわなを設置しました。 ■あわら市職員 「昨年度はこの時期にそれほど多く出没がなかった。昨年度は(今から)1か月後に檻の設置をしていた。こちらとしても気を張って注意喚起を行っている」
■クマを目撃した人 「食事を食べようかなと思って、昼ご飯の準備をしようと思ったら正面にクマがいた」 「恐かった。遠巻きだけど、結構大きいし、被害を聞いているから恐かった」 県内で相次いでいるツキノワグマの出没。4月と5月の出没件数は合わせて143件で、去年の同じ時期の2倍以上となっていて、統計開始して以降過去最多となっています。 冬眠前の秋ではなく、なぜ春先に大量に出没しているのか?クマの生態に詳しい専門家は。
■石川県立大学生物資源環境学部 大井徹特任教授 「昨年の秋の影響です。秋というのはクマがたくさん食べ物を食べて、冬眠のために準備をする期間ですが、福井県では重要な餌であるドングリ類が凶作・不作だった。そのために山の中に餌がなくて、里にクマがたくさん下りてきた。そのまま人里周辺に定着(冬眠)してしまったクマがいると思います。そうしたクマがこの時期活動が活発になって、目撃件数が増えたものと考えられます」
「この付近でクマが目撃されました。外出する時は十分に気を付けて下さい」 山あいだけでなく、市街地でも目撃されているクマ。6月に入ってからもすでに77件の目撃や痕跡が確認されるなど、異例の事態となっています。 ■あわら市職員 「ここ一週間は毎日出ています。今日出たところ、町内を中心に回っている」 専門家は7月にかけて、さらに活動が活発になる恐れがあると指摘しています。