1998年の秋季キャンプで話し込む野村監督㊨と新庄。〝ジーパン発言〟が生まれた秋だった

日本一を目指すポストシーズンの熾烈な戦いは、まだまだ継続中だが、みやざきフェニックス・リーグでは、来季に向けて各チームの指揮官が動き出している。 オリックス・岸田新監督もその一人。大阪の強豪にのし上がった履正社高から誕生した初めてのNPBの監督となる。岸田色がどんな色かは、まだまだ不透明だが、楽しみではある。 「岸田監督のニュースが流れた日は、自分の席でガッツポーズをしてしまいました。周囲は誰も喜んでいませんでしたが…」 今なお、興奮を隠しきれないのが、今月1日付で整理部長に昇格したばかりの芝崎正剛。サンスポ史上初の履正社出身部長だ（たぶん）。部長昇進と二重の喜びに浸っていた。来季はオリックスの見出しが、さらに目立つこと必至？！ ことしは監督交代がめじろ押し。衝撃的だったのは、PL学園出身の将が3人そろって退陣してしまったことだ。シーズン途中に休養してしまった松井監督（西武）は残念。3年連続最下位の立浪監督（中日）はやむなし。今江監督（楽天）は、まさか－。 3人三様の終幕。PL学園黄金時代を眺めて、楽しんで、野球記者になった立場として「やっとPLの監督が増えてきた」と思った矢先の〝全滅〟。ショックだ。 高校野球界に、PL時代の次に訪れたのは大阪桐蔭時代だった。甲子園の成績では、PL以上の安定感を誇っている。 ところが、大阪桐蔭出身のNPB監督は、まだ1人も誕生していない。一流選手は何人も誕生しているのだが、個性が強すぎるのか。後から強くなった履正社に先を越されるとは、大阪桐蔭関係者もビックリだろう。まあ、野球が盛んな地域だから、名門だから、野球が強いからといって、簡単に何人も監督が生まれるとはかぎらない。 高知県出身のプロ野球1軍監督は、藤川新監督で3人目だとか。〝野球どころ〟高知としては、意外に少ない。大洋（現DeNA）で采配を振るった須藤豊さん。ミスターロッテ・有藤通世さん。そしてタテジマの新監督だ。 陣頭指揮を執る秋季キャンプは、おひざ元の高知・安芸市で開催。阪神の春季キャンプは40年以上行われていたし、秋季キャンプは現在も継続中。阪神とは切っても切れない鍛錬の場だが、交通の便はお世辞にも良くない。だから、ファンが殺到して…という騒ぎは、意外に少ない。