春は享栄V、夏を制した中京大中京は夏甲子園100試合目で勝利、秋は至学館が初V【2024愛知県の高校野球】
2024年も、残りあと半月を切った。今年の高校野球界を各都道府県別に振り返り、1年間の球児の熱い戦いを思い出してみたい。 2024年愛知県大会の結果一覧 伝統の強豪がそろう愛知県は、春夏ともに「愛知私学4強」と呼ばれる高校による決勝が行われた。春は享栄と中京大中京が対戦。9回表に1点を奪って勝ち越した享栄が、3対2で競り勝った。互いに1歩も譲らない熱戦は見応えがあった。センバツに出場した愛工大名電と東邦が3回戦で対戦し東邦が勝利。その東邦を破ったのは4強入りした中部大春日丘だった。センバツに出場した豊川は準決勝で享栄に敗れている。強豪ひしめく愛知らしい春の大会だった。 夏は波乱が起こる。3回戦で春優勝の享栄が名古屋たちばなに敗れ、春4強の中部大春日丘も3回戦で散った。名古屋たちばなは、5回戦でセンバツに出場した愛工大名電に2対0で勝利して8強入りすると、同じくセンバツに出場した豊川も大成に0対7で敗退。春夏連続甲子園を狙った愛知の2チームは、8強目前で姿を消したことになる。 春準優勝の中京大中京は、勢いに乗る名古屋たちばなに逆転勝ちすると、決勝で東邦に競り勝って7年ぶり29度目の夏甲子園を決めた。夏甲子園100周年の今年、初戦で宮崎商(宮崎)を破った中京大中京は、夏甲子園100試合目で夏通算79勝目を挙げた。 秋は至学館が決勝で中京大中京を破って初優勝した。準決勝までの4試合で、わずか2失点と守備力を誇っての優勝。東海大会でも4強に入り、センバツ出場への望みをつないでいる。 秋季大会では東邦が名古屋1次予選で黒星を喫し、2位校として参加した2次予選で敗れて県大会出場を逃している。「愛知私学4強」のなかで、秋季大会8強まで進んだのは、中京大中京だけだった。 今年は中京大中京が春夏秋すべて決勝に進んで強さを発揮したが、来年は混戦模様となりそうな愛知大会。どんなドラマが待っているのだろうか。