スウィングもメンタルも整う!? 魔法の筋肉「骨盤底筋」とは?
加齢とともに心身にもスウィングにも“締まり”がなくなってきたと感じている人は多いはずだ。これは「骨盤底筋」と呼ばれる筋肉群が原因かもしれない。2024年4月30日号の「週刊ゴルフダイジェスト」では、姿勢を整えて自律神経を整えるのに必要だという「骨盤底筋」にフォーカスしている。「みんゴル」でもその一部をみなさんにも共有。しっかりケアして、ハッピーゴルフ、ハッピーライフにつなげよう!
そもそも骨盤底筋とは?
みなさんは“骨盤底筋”という言葉を聞いたことがあるだろうか? これは筋肉の1つであり、一般には女性が出産後に、また男性は前立腺がんなどの手術後に、“尿漏れ”で悩んだときに強化運動の指導を受ける筋肉をいう。具体的には骨盤の底の部分にあって、恥骨と尾骨、および座骨を支点にしてハンモック状になっている筋肉群だ(左図参照)。 その役割は、骨盤内にある膀胱や子宮、直腸などの臓器を下から支えて正しい位置にキープし、併せて尿道、膣、肛門の出口を開閉して尿や便の排泄をコントロールする重要な役割を担う。逆に言えば、出産や前立腺がんの手術などで骨盤底筋がゆるむと、筋力が弱まって排尿をコントロールできなくなる。これが、年齢とともに悩む人も多い“尿漏れ”の正体だ。 筋肉である以上、骨盤底筋も運動不足、肥満、加齢で衰えるのは言うまでもない。それに加えて女性の場合は出産や更年期による女性ホルモンの減少も影響する。骨盤底筋および骨盤は、女性ホルモンと深く関わっていて、女性ホルモンが減少すると、骨盤底筋は自然と衰えるのだ。しかし、近年、男性の更年期障害も話題になっているように、男性ホルモンも加齢とともに減少する。よって、男性も安心などできない。骨盤底筋は衰えていくのだ。
軸が安定しミート率アップ!
衰えた骨盤底筋は、日常の運動によって強化することが可能であり、骨盤底筋を鍛えると尿漏れの改善だけでなく、それ以外にも多くの効果が指摘されている。 KAORI式骨盤底筋メソッド 考案者のKAORIさんが挙げる効果は次のようなものだ。 ①お腹に力を入れやすくなり、尿道や肛門の開閉を意識して行うことができ、尿漏れ、便秘の解消に役立つ。②姿勢がよくなり、猫背が解消する。③ポッコリお腹が解消してダイエット効果やヒップアップが促進される。④大腸内の善玉菌が活発化し、幸せホルモンが増加する。⑤骨盤周りが強化されて生理痛が解消する……などなど。 「骨盤底筋は腹筋や臀筋(お尻の筋肉)、太ももの内側の内転筋と連動して動いています。そのため骨盤底筋が衰えると姿勢が悪くなったりお尻が垂れたりして、腰痛、肩こり、自律神経の乱れ、不眠などさまざまな障害が出るのです。逆に骨盤底筋を鍛えると、それらの筋肉も連動して鍛えられて、腹筋強化、腰痛解消、ポッコリお腹の解消やダイエット、ヒップアップなどの効果が認められるようになるのです」。 のみならず、小誌が取り上げるのは、ゴルファーが抱えている多くの悩みが骨盤底筋強化で解消することがわかってきたからだ。 ゴルフユーチューバーでスウィングの研究もしているパーシモンHAGEさんが紹介するゴルファーへの効果は次の通り。 ①体幹が強化されてアドレスの前傾姿勢がよくなり、スウィングの軸が安定する。②太ももの内転筋が強化されて下半身主導のスウィングができ、ミート率がアップする。③インパクトエリアでお尻の筋肉がキュッと締まり、インパクト時のヘッドスピードがアップ、飛距離が伸びる。④大腸内の善玉菌が増え、幸せホルモンが増加してプラス思考になるなど、メンタル面がアップする。⑤腹筋や腹斜筋が強化、股関節の動きがよくなり、ラウンド後の腰痛が解消する……など。 「いわばアマチュアゴルファーの多くが抱えるフィジカル面、メンタル面の悩みが骨盤底筋の強化によって一気に解消するんです」 TEXT/Kenji Takahashi PHOTO/Yasuo Masuda、Blue Sky Photos
週刊ゴルフダイジェスト