DV夫が離婚調停で大暴れ、話し合いが打ち切りに…妻が「訴訟」で勝つためにやるべきこと【弁護士が解説】
離婚訴訟には調停内容が引き継がれない
・離婚訴訟をするとき、離婚調停の記録が引き継がれるのですか? ・離婚調停で有利に進めていた場合、離婚訴訟も有利になるのですか? 訴訟を起こすとき、こういったご質問をいただく機会がよくあります。離婚訴訟には、基本的に離婚調停の記録は引き継がれません。調停で相手が理不尽なことをいっていたり、DV夫が裁判所で騒ぎを起こしたりしても、そういった情報は訴訟の裁判所に伝わりません。 訴訟において過去の調停の話の流れを伝えたいのであれば、自分で主張する必要があります。また、離婚調停の経緯について相手に不服があった場合、訴訟で相手から「調停では自分の意向をまったく聞いてもらえなかった」などと主張される可能性もあります。調停は、できるだけ双方が意見を出してしっかりと話し合ってから決裂させるのが本筋です。
離婚訴訟は相手が出席しなくても進められる
離婚調停に相手が来なかった場合、「訴訟にも相手が来なかったらどうすればいいのだろう?」と考える人もいるでしょう。訴訟は調停と違い、相手が来なくても進められる手続きです。訴訟で反論も出席もしない場合、原則として、相手方の言い分を全面的に認めたという扱いとなります。 以上より、訴訟では「相手が来ないかも知れない」ことについて、さほど大きな不安を抱く必要はありません。
訴訟では立証しないと主張を認めてもらえない
訴訟では、こちらにも綿密な立証を求められることに注意が必要です。たとえば相手がDVしていると主張するなら、DVの証拠を提出して明らかにしなければなりません。訴訟を有利に進めたければ事前にしっかり証拠を集め、法律的に正しい主張を行う必要があります。
調停が不成立になっても
離婚調停から離婚訴訟への流れは、一般にあまり知られていないので「調停が不成立になる」と聞くと不安に感じる人も少なくありません。しかし調停が不成立になっても粛々と訴訟を進めていけばいいだけなので、おそれる必要はありません。 弁護士がサポートしていると常に横から助言を受けられて安心感が高くなりますので、離婚問題で困ったときは専門家のサポートを検討してみてもよいかもしれません。 白谷 英恵 Authense法律事務所
白谷 英恵