還暦人60歳代の「平均貯蓄」はいくら?昨年と比較して672万円の減少…老後は年金だけで生活できる?
8割以上が「60歳以降も働きたい」。理由は生活費の不足
PGF生命の還暦以降の就労意向に関する調査によると、8割以上の還暦人が「60歳以降も働きたい」と働く意欲を示していることがわかりました。 還暦以降も働きたい理由として、56.1%で「働かないと生活費が不足するから」が最も多く、年金だけでは生活費が不足する懸念から、年金以外の収入源の確保を考えている人が多いようです。 また、70歳以降も働きたい人の割合は、全体の42.7%を占める結果となりました。 PGF生命による過去の同調査と比較すると、70歳以降も働きたい人の割合は年々増加しており、2024年は調査開始以降、最も高い結果となりました。 総務省統計局の調査では、75歳以上の人口は前年と比較して72万人増加しており、初めて2000万人を超える結果となりました。 日本の総人口の23.2%が70歳以上となっており、本格的な人生100年時代を迎えている現代では、老後に必要な資金が増加しているのが現状です。 長寿大国となった一方で経済的なリスクが高まったことで、生活が困窮しないよう「働けるうちは働いて生活費の補填をする」と考えている人が増えているのだとうかがえます。
老後は年金だけでは生活できないの?年金の平均月額を確認
では最後に、現在のシニア世代が受け取っている年金の平均月額を確認していきましょう。 「老後に受け取れる年金は少ない」とよく耳にしますが、本当に年金だけで生活していくのは難しいのでしょうか。 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金と厚生年金の平均月額は下記のとおりです。 【国民年金の平均月額】 ・全体:5万6316円 ・男性:5万8798円 ・女性:5万4426円 【厚生年金の平均月額(国民年金を含む)】 ・全体:14万3973円 ・男性:16万3875円 ・女性:10万4878円 国民年金は、保険料が一律となっているため、全体・男女間で平均額に差があまり見られません。 とはいえ、全体、男女ともに平均月額は5万円程度となっており、国民年金のみ受給の場合は、老後の生活費を年金だけで賄うのは厳しい状況と言えます。 さらに昨今の物価上昇を考慮すると、今後さらに国民年金のみでの生活は厳しいものとなることが予想されます。 一方で、厚生年金は現役時代の収入や加入期間によって受け取れる受給額が変動するため、個人差が生じやすくなっています。 厚生年金の全体の平均月額は約14万円であり、生活費を抑えて老後生活を送れば年金だけで生活できる可能性はあります。 しかし、個々の状況によって必要な生活費は異なるため、あくまでも目安として考えることが重要です。 ご自身の受け取れる年金見込み額について詳しく知りたい方は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」などで確認ができるため、事前にチェックしておくことをおすすめします。