さーて、2月はどんな展示に行こうかな。
中平卓馬 火―氾濫@東京国立近代美術館
「思想のための挑発的資料」と謳った伝説の同人『Provoke』にて「アレ・ブレ・ボケ」といった強烈なイメージを打ち出し、1973 年の評論集『なぜ、植物図鑑か』では自己批判と方向転換の宣言を行うなど、実作と理論の両面に秀でた写真家が中平卓馬だ。1977年に昏倒し記憶を喪失した後も、晩年に至るまでの約30年間、写真家であり続けた。でも実際、中平がどんな業績を成してきて、それがどんな内容なのか、よく分かっていないというのが正直なところ。没後初となる充実の大回顧展で、その軌跡をじっくり辿りたい! まだまだ続く寒さにも負けずに訪れたい展示4選。
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中平卓馬 火―氾濫 会場:東京国立近代美術館 会期:2024年2月6日(火)~4月7日(日) 時間:10:00–17:00(金・土曜は20:00 まで)入館は閉館の30 分前まで 休み:月曜日(ただし2月12日、3月25日は開館)、2月13日(火) 料金:一般1,500 円 大学生1,000 円
老人性アメイジング! 寿ぐ老いとベートーヴェン@東京大学 駒場1キャンパス、世田谷美術館 講堂
「老い」がホラー映画の題材にされるほどの世の中だ。まして高齢化率が世界でもトップクラスの日本にいて、老いることについて考えずにはいられない。介護施設『宅老所よりあい』の村瀬孝生氏が提唱するのが、本展タイトルの「老人性アメイジング」という言葉。幼少期のように「概念から解放された世界」を生きること、そして老いをポジティブに捉え直すことを目的としている。イベントは、弦楽四重奏団クァルテット・エクセルシオや、美学者・伊藤亜紗ら様々なゲストを招いて、誰も避けて通れぬ「老い」を探求するアメイジングな時間になりそうだ。
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老人性アメイジング! 寿ぐ老いとベートーヴェン 会場:東京大学 駒場1キャンパス 21 KOMCEE West B1F レクチャーホール(18日)、世田谷美術館 講堂(25日) 会期:2024年2月18日(日)、 2024年2月25日(日) 時間:11:30~18:30(18日)、13:00~17:30(25日) 料金:各日¥3,000(要事前申込み、先着120名まで) 問い合わせ:せたがや文化財団 生活工房