視力1・0未満の子、割合が過去最大を更新 スマホやタブレット浸透が影響?
中学校は61・7%、高校は71・2%…増加は4年連続
長野県内小中高校で裸眼視力が「1・0未満」となった児童生徒の割合が過去最大を更新したことが、県教育委員会の2022年度の県学校保健統計調査で分かった。小学校は2年ぶり、中学校と高校は4年連続で視力が低下した。スマートフォンやタブレット端末の利用が浸透し、近距離で画面を見る機会が増えたことが影響しているとみられる。一方、虫歯の割合は長期的な低下傾向を示し、小中高校とも全国平均を下回った。 【グラフ】視力1・0未満の子どもの割合 視力が1・0未満の子どもは小学校で35・1%となり、10年前の12年度と比べると5・5ポイント増。中学校は61・7%で12年度比8・3ポイント増、高校は71・2%で同5・3ポイント増だった。 文部科学省による「GIGAスクール構想」で児童生徒に1人1台のタブレット端末の配備が進み、ICT(情報通信技術)教育が浸透しつつある。県教委保健厚生課はこうしたデジタル端末の利用が視力低下の一因と考えられる―とみており、「室内をしっかり明るくし、正しい姿勢で見ること、画面から距離を確保することなどを呼びかけている」としている。 一方、22年度の虫歯の割合は、幼稚園、小中高校の全てで前年度より下がり、幼稚園は20・0%、小学校は35・8%、中学校は24・6%、高校は33・1%だった。いずれも減少傾向が続いており、10年前と比べると幼稚園は19・5ポイント、小学校は18・4ポイント、中学校は17・8ポイント、高校は19・7ポイント減少した。 全国平均をそれぞれ1・2~5・2ポイント下回っており、同課は「学校歯科医や歯科衛生士が学校での歯科保健指導の充実に取り組んでいる成果」と分析している。 調査は児童生徒の成長具合や健康状態について、学校保健の基礎資料とするため毎年実施している。今回は、国公立と私立の幼稚園・学校計788施設に通い、22年度末までに定期健康診断を受けた児童生徒20万7634人を対象に調べた。