【自覚なし】課長「部長がそう言うから、やっておいて」…まるで“上層部の伝書鳩”。〈部下のやる気を奪う上司〉の典型例
社員の「やる気」が出ないのは、個人の努力が足りないからだと考える人も多いかもしれません。しかし実際は、上司や周囲との関わりや、会社の制度・処遇などの影響によって「やる気が下がってしまう」ケースも少なくないのです。松岡保昌氏の著書『こうして社員は、やる気を失っていく』(日本実業出版社)より一部抜粋し、「社員がやる気を失っていく上司」の典型例とその改善策を見ていきましょう。
--------------------------------------------------- 【上司タイプ】双方向のコミュニケーションがとれない上司 ⇒指示が一方通行。 ---------------------------------------------------
「部長がそう言うから、やっておいて」――伝書鳩上司
課長がやって来て、「悪いけどこの案件、急ぎで取りかかってくれるかな」と言ってきた。課長に理由を聞いても、「部長がそう言っているから頼むよ」と言うのみ。 課長の口癖は、「上で決まったことだから」。課長は現場の状況などはお構いなしで、とにかく上層部の言いなり。新しい仕事の進め方などを提案しようとしても、「そういうの、今はいいから。とにかく、まずは上の言うとおりやっておいてくれる?」と話にならない。 自分では何も考えず、ただ上の判断を伝達するだけの伝書鳩上司。無責任で、コミュニケーションを拒絶する態度とも言えます。 そんな上司の下につくと、部下のいらだちは増し、仕事へのモチベーションも低下する一方です。部下からは、「頼りない上司」とのレッテルも貼られてしまうでしょう。
「任せたから、適当にやっておいて」――丸投げ上司
無責任ではないけれど、一緒に頑張るという一体感を持ちづらい上司もいます。たとえば、新規案件が発生したこんな場面。 ------------------------------------------- 上司「この案件、決まったことは知っているよね。君に任せるからさ。頑張ってやってみて」 部下「わかりました。決まるまでにけっこう時間がかかりましたが、何か注意点はありますか?」 上司「いや、とくにないと思うよ。いつもどおりにやっておいてよ」 ~後日~ 部下「先日の案件で、この部分、どうしたらいいのかアドバイスをいただけますか?」 上司「うーん…。そのくらい、自分で考えてよ」 ------------------------------------------- 放任主義の丸投げ上司にありがちな態度です。 「任せた」という言葉は部下を信頼しているようにも聞こえますが、部下からすると、本当に信頼されて任せてもらったのだろうかという不安感や、上司への不信感が募る態度とも言えます。