中国・福建省の豪雨で中国最古の客家(はっか)の祖霊殿が崩壊
【東方新報】中国東部の福建省(Fujian)にある「客家第一祖霊殿(First Ancestral Hall of Hakka)」として有名な「官田李氏大宗祠(Li Clan Ancestral Hall)」が16日、大雨による6時間にわたる浸水の影響で倒壊し、一部の文物が、がれきの下に埋もれた。 福建省龍岩市(Longyan)上杭県(Shanghang)にあるこの客家(はっか)の祖霊殿は、国家重点文物保護建築物に指定されている貴重な建物だ。 客家(はっか)とは、中国北方の戦乱や迫害を逃れ南方に移住した漢族の一支流で、一族の結束力が強く、独特の習慣や住居様式を守っていることで知られている。 また東南アジアを中心に客家の子孫が各国で活躍し、シンガポールのリー・クアンユー(Lee Kuan Yew)初代首相やフィリピンのコラソン・アキノ(Corazon Aquino)元大統領も海外に出た客家の子孫である。 被害を受けた「官田李氏大宗祠」は、福建省に最初に定住した李火徳(Li Huode)を記念して、清朝道光帝時代の1836年に、李氏の子孫によって建てられた歴史的建築物だ。福建省で最も重要な祖霊殿の一つで、中国と海外の李一族の子孫を結ぶ親睦の架け橋となっている。 倒壊したのはホールの東側と西側の客室で、予備調査の結果、土壁がひどく浸水し、土が軟化して支えを失ったことが原因だと分かった。 福建理工大学(Fujian University of Technology)の歴史的建造物保存工学の専門家は、この祖霊殿は十分な保存データがあるので、修復は可能であると言っている。 祖霊殿の職員によると、現在地元政府が周辺を封鎖し、歩行者が近づけないようにしているという。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。