【そもそも.】『国宝』とは…誰がどうやって決めるの?指定されるとどうなる?
ミヤギテレビ
「そもそも.」は、『国宝』をテーマにお伝えする。 『国宝』とは、誰がどうやって指定しているのだろうかー。 街の人に、『国宝』のイメージを聞いてみた。 街の人 「(Q国宝で印象に残っているものは?)京都の清水寺とかのイメージ」 「清水寺には修学旅行で行った。晴れていて、(紅葉の)赤と青のコントラストがきれいだった」
街の人 「(Q国宝をどうやって決めていると思うか?)分からない…省庁とかそういうところかな」
文化庁の東京庁舎文化財第二課の方に、話を聞いた。 『国宝』を一言で表すなら、「類ない国民の宝たるもの」。
大枠から説明すると、文化庁が指定している『重要文化財』というものがある。 意匠的に技術的に優秀、歴史的価値が高い、などが指定の条件になるが、さらにその中でも価値が高いものが『国宝』指定される。 指定の手順としては、文化庁がそれぞれの地方の有識者に協力を仰ぎながら調査を継続的に行い、その調査結果をもとに必要に応じて審議会を設置。話し合いを経て、最後は文科省の大臣へ答申し指定へという流れとなる。
『国宝』に指定されると、どうなるのかー。 制限がかかるが、補助を受けられる。 『国宝』に指定されると、原則 国外へ持ち出すことが出来ない。 また、売り買いや修理の時は、文化庁へ届け出が必要だ。 様々な制限の代わりに、修理にかかる費用などは所有者の財布事情に合わせ、国の補助を受けられる。 そんな貴重な『国宝』。 今年10月1日時点で、美術工芸品と建造物合わせて1143件ある。 ちなみに、国宝制度の始まりは明治30年に遡るが、最初は京都の『清水寺本堂』東北で言うと岩手の『中尊寺金色堂』などが指定されたそうだ。 現在、宮城県内には今年8月に指定されたばかり『多賀城碑』など、7件の『国宝』がある。そのうち、建造物に絞ると3件のみになる。
1つが、1607年に伊達政宗によって創建された仙台市にある『大崎八幡宮』。 そして、あと2つは『瑞巌寺』の”本堂”と”庫裏及び廊下”が指定されている。 『大崎八幡宮』と同じく伊達政宗の創建で5年の歳月をかけ1609年に完成、本堂は10室から成りそれぞれ絵画や彫刻で装飾されている。 桃山美術を現在に伝える貴重な建築物であることから、1953年に『国宝』指定へ至ったという。 『瑞巌寺』では、秋の夜間参拝が11月1日から始まった。 ライトアップされた『国宝』、紅葉も相まって一層の輝きを放っているかと思われる。行楽の秋、出掛けてみてはいかがだろうか。