「熱狂」がS&P500を6000に押し上げも、急落前に-スティーフル
(ブルームバーグ): 米株式市場の過去の熱狂を参考にすれば、S&P500種株価指数は年内にさらに10%近く上昇する可能性があるが、以前の「バブル」と同様にいずれ崩壊することは避けがたい。スティーフル・ニコラウスのチーフ株式ストラテジスト、バリー・バニスター氏がこう予想した。
バニスター氏は投資マネーの流入が続いてS&P500種が20日の5500弱から年末までに6000の大台に達する可能性はあると指摘。だが、2026年半ばまでには、今年初めの4800付近まで下落し、約2割値下がりすると予想した。
ここで明確にしておくべきなのは、バニスター氏はリスク資産、特に株式市場がもっと早く調整局面を迎えると指摘している点だ。同氏によるS&P500種の公式な年末目標は4750で、これは現行水準から約13%の下落を意味する。S&P500種は20日の日中に史上最高値を更新した後、ハイテク株の下落が重しとなり伸び悩んだ。それでも、ここ数カ月にわたり市場をけん引してきた投資家の高揚感が株価を一段と押し上げ、その後にいずれ急落するとバニスター氏は言う。
同氏は19日の顧客向けリポートで「タイミングがすべてだ」と述べ、「投資家がわれわれの懸念を通り越して、本格的なバブルと熱狂のモードに入っている可能性があると認識している」と付け加えた。
インフレ鈍化の兆しを受けて米金融当局が年内に利下げに踏み切るとの期待感を背景に米国株は強気相場が続いている。これに加え、好調な企業業績と人工知能(AI)関連企業への熱狂を追い風にS&P500種株価指数は今年、15%近く上昇している。
しかし、ウォール街の一部には、市場は買われ過ぎで、堅調な銘柄は狭い範囲に集中しているため、株式相場は売られやすい状態にあると警戒する声も聞かれる。ブルームバーグが追跡しているストラテジストの平均年末目標は約5297。最高はエバーコアISIの6000で最低はJPモルガン・チェースの4200。