ノーベル平和賞「活動の自信に」 被爆者、核廃絶の決意新た
「自信を持って活動を進められる」「理想を追求することの大切さに気付いた」。日本原水爆被害者団体協議会(被団協)がノーベル平和賞に決まって一夜明けた12日、広島市と長崎市では被爆者や観光客らが爆心地付近を訪れ、核廃絶への決意を新たにした。 「長崎を最後の被爆地に」と被爆者や市民の活動が続いてきた長崎市。福島市から仕事で訪れた鈴木ひろ子さん(57)は平和公園の平和祈念像に立ち寄り「福島は原発の問題があり、長崎を身近に感じていた。世界情勢が悪化する中、あえてこのタイミングでの受賞なのかなと思う」とたたえた。 広島市の波田保子さん(88)は、両親が爆心地から約1.5キロの場所で被爆し、県内の学童疎開先から8月13日に戻って入市被爆した。両親は長年放射線の被害に苦しみ、家族は差別と闘い続けてきた。 署名集めなどの運動に加わってきた波田さんは12日朝に平和記念公園の慰霊碑を訪れ「生きている間に核兵器をなくしたいという思いで、一筆一筆を集めてきた。広島から世界へ、一歩でも大きく発信をしたい」と力を込めた。