ドジャース世界一に必要な要素は「得点圏の信じられない打線爆発の継続」と「長引かせないこと」殿堂右腕が“夢のWS”分析
大リーグの2024年ワールドシリーズ(WS)は、25日(日本時間26日)にドジャースが地元ロサンゼルスにヤンキースを迎え撃ち、開幕する。メジャー史上で唯一人、「200勝&150セーブ」を達成した殿堂右腕のジョン・スモルツ解説者は23日(同24日)、米放送局FOXスポーツのベン・バーランダー・ホストによるユーチューブ・チャンネル『フリッピン・バッツ』に出演。今WSを全米中継する同局の解説者として戦局を分析、予想した。 ◆大谷翔平の妻・真美子さん、ドジャースのリーグ優勝に歓喜【写真複数】 最初に、同解説者は『夢のWSだ』と前置きした。「大陸を横断するうんざりなフライトを除けば、これは人々が長年待ち望んでいた夢の頂上決戦だ。2人のメガスター(ドジャースの大谷翔平とヤンキースのジャッジ)と、2つのメガチーム。両リーグ最高勝率のチームが報われ、WSで激突することは野球界にとっても最高だ」 ドジャースが世界一になるために必要な要素としては「攻撃面は、得点圏に走者を置いてこれまでの信じられないような打線の爆発を継続させること」と「シリーズを長引かせないこと」の2点を挙げた。 今ポストシーズンの得点圏打率はドジャースが・311に対し、ヤンキースは・181となっている。 「シリーズが長引くということは、先発投手陣が効果的な投球をできず、ブルペンの負担が増えていることを意味する。勝つためには先発投手たちが4~5イニングをこなすことが必要だ。勝ちゲームは勝利の方程式に組み込まれているリリーバーたちを総動員するが、そうならないときは、大差がついた(リーグ優勝決定シリーズの)メッツ戦のように、勝利の方程式のプルペン陣は使わない」 また、同ホストの「ドジャースに関してはベッツ、カーショー、グラスノー、山本、ビューラーら多くのスーパースターがシーズン中に離脱。その中で、ここWSまで来られると思っていたか?」との質問には「ノーだ」と即答した。「その理由は、この10月に迎えた最初の戦い(パドレスとの地区シリーズ)が最大の関門だったからだ。恐ろしいほどの苦境(1勝2敗)に陥り、背水の陣で、全てがうまくいかなければ終わりというブルペンゲームまで強いられた。そして、全てがうまくいった。次のリーグ優勝決定シリーズは、疲弊していたメッツを手なずけた」 さらに「デーブ・ロバーツ監督は大いに称賛に値する」と指揮官をたたえ、プレッシャーの大きさを指摘した。「突出した年俸総額とスター軍団を抱えるドジャースには世界最大の重圧が掛かっていた。みんな『そんなのは大したことじゃないだろう』と言う。実際に体験した私に言わせれば、それはむごいほどだ。『そんなプレッシャーはない』と言う選手がいれば、物事をゆがめて語っているだけだ。今回は両軍ともに重圧が掛かっていたが、ドジャースの方がより大きかった。だが、ここまで来たことで両軍ともに少し気が楽になっただろう」 この見立てが妥当なのか否か、あと数日でつまびらかになる。
中日スポーツ