ひろみちおにいさんにエール 脊髄梗塞で活動休止「自分のペースで回復して」 母親が埼玉出身で縁、体操教室で交流の地元住民ら
NHKの「おかあさんといっしょ」で「10代目体操のお兄さん」として活躍したタレントの佐藤弘道さん(55)が今月に脊髄梗塞を発症し、療養に専念するため活動休止を発表した。母親が埼玉県の小鹿野町出身という縁で、佐藤さんはたびたび同町を訪れ、町民らとの交流を続けている。「あせらず、ゆっくり元気な体を取り戻し、この町にまた来てほしい」と町民らはエールを送っている。 【写真4枚】佐藤弘道さんお気に入りのソフトクッキーなど
佐藤さんは、1993年から12年にわたって「おかあさんといっしょ」に出演。番組卒業後もタレントとして活動し、全国で親子や幼児らを対象にした体操教室や講演会などを精力的に行ってきた。今月2日に体調を崩し、下半身まひとなり緊急入院。直筆コメントで、「長い闘病生活になりますが、リハビリに力を入れて復帰に向けて頑張りたい」とつづった。 小鹿野町によると、佐藤さんは2016年と17年に、町立小鹿野小学校の体育館で開いたイベント「親子ふれあい体操」に講演者として参加。町内の3歳以上の子どもと、その保護者計約200組に体操の楽しさを伝えた。 当時のイベントに携わった元町教育委員会社会教育指導員の小菅義久さん(70)は「常に笑顔を絶やさず、子どもたちに体操を好きになってもらいたいという思いがひしひしと伝わる方」と、佐藤さんの印象を語る。佐藤さんが下半身まひを公表した際は、「なぜ佐藤さんが」と大きなショックを受けたが、「必ず回復し、また活躍してくれる」と願っている。
小鹿野小学校で養護教諭を務めている鈴木美穂さん(35)は、佐藤さんのめい。佐藤さんから症状報告を受けた際は、悲しさが想像を超え、察するに余りあるものだったという。「(佐藤さんは)自分の体を動かして、みんなに伝える仕事をしてきたので、本人も相当ショックだと思う。親族や、これまで関わった多くの方が応援してくれているので、自分のペースで回復してほしい」と、鈴木さんは切実に語った。 老舗菓子店「八宮松雪堂」(同町小鹿野)の店主八宮悟さん(48)は10年以上、佐藤さんと家族ぐるみの交流が続いている。同店人気商品のソフトクッキー「小鹿野こいし」(1個150円)が、佐藤さんの大のお気に入りで、自身のブログやテレビ番組などでたびたび紹介している。 佐藤さんが体調を崩す前日の6月1日に、八宮さんは佐藤さんと無料通信アプリLINE(ライン)で近況報告をした。八宮さんは「その時は普通にやりとりをしたが、後日、『体調不良になった』という報告を頂いた。佐藤さんは緊急入院後も『復帰したらお店に直接伺いますね』という温かいメッセージを送ってくれた」と説明する。
佐藤さんと八宮さんは、4月に小鹿野町内でゴルフを楽しんでいる。「真面目な性格の佐藤さんなら、今後リハビリに励み、元気な体を取り戻せると思う。また一緒に小鹿野でゴルフをしたい」と八宮さんは話していた。
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