大学現役合格主義の今、あえて私が「仮面浪人」で慶應義塾大学に合格した理由
編み出した「勉強法」
人間の脳は、「「何が起こるかわからない」という偶有性が大好き」といわれていることをご存じだろうか。茂木健一郎氏の書籍によれば、「決まり切ったことばかりだと、脳本来の動きが死んで」しまうという。これを自身で逆解釈し、一日のタスクは決めるが、順序は決めない。そして一時間ごとに必ず科目を変更する、という勉強法を採用した。その結果、長時間勉強を継続できるようになった。 また筆者には明治大学への編入を目指す友人がいたため、毎日朝6時半から8時まではその友人とZoomを繋げて勉強し、その他の時間はZOOM医進館という無料のオンライン自習室やStudyPlusという勉強記録アプリを活用した。自身の仮面浪人成功において、これらの友人の存在や素晴らしい無料コンテンツに出会えたことの影響もかなり大きかったと思う。 ◾️学生生活や就職活動への「2浪の影響」 ここで気になるのが、入学後に支障はあったかということである。簡潔に結論を言えば、ほぼなかった。 大学に入学すると、浪人生だけでなく留年をして学年がずれてしまった学生も多数存在する。慶應に至ってはニューヨーク校から入学しギャップイヤーを経て学年がずれている学生もいた。そのような中では筆者の経歴も個性として消化された。 また就職活動においてもESは通過率9割を超え、面接もほぼ突破した。重要なのは2浪をしたという事実ではなく、その行動に至った自身の思考回路と目的を説明できるか否かであると思う。 ◾️美化されるべきではない、だが━━ ここまで4年前を回顧したが、「浪人を美化するな、親不孝者め」という読者がいてもおかしくないと自身は思う。その通りである。現役で決める、それに越したことはない。 幸運にも、両親が20年分のお年玉を貯金していてくれたため、入学金以外の浪人費用はその貯金から捻出できたが、再度20万円の入学金がかかってしまったことは、4年間、申し訳なく思っている。 しかし、この選択で自身の内面も未来も、人生は確実に好転した。もし、このチャンスをつかめる環境、岐路にいるなら、迷わずまたこの選択肢を選ぶだろう。
Forbes JAPAN 編集部