三島有紀子の特集開催、中谷美紀・稲垣吾郎・北川れい子のコメント到着
「一月の声に歓びを刻め」の公開を記念した「三島有紀子監督特集」が7月20日から8月2日まで東京・ポレポレ東中野で行われる。 【画像】三島有紀子(「一月の声に歓びを刻め」公開記念舞台挨拶より) NHKを退社後、東映京都撮影所で助監督として経験を積み、2009年に監督デビューを果たした三島有紀子。以降、商業映画を撮り続け、今年2月に封切られた「一月の声に歓びを刻め」が記念すべき長編10作目となった。今回の特集では同作のほか「しあわせのパン」「少女」「繕い裁つ人」「幼な子われらに生まれ」「Red」、短編プログラムとして「オヤジファイト」「よろこびのうた Ode to Joy」「IMPERIAL 大阪堂島出入橋」がスクリーンにかけられる。 三島は「映画とは、何か。考え続けているがいまもよくわからない。でも、映画を作れば、知らない人と話すこともできる。映画を作れば、共に考えてくれる人もできる。映画を作れば、共に歓んでくれる人悔しがってくれる人もできる。映画を作れば、あなたをもっと知りたいと思う。映画は、友達ができる。映画の作り方も友達の作り方も不器用だけど、そんな軌跡とも言える。ほぼ毎日ポレポレのカフェにいる居候だからか、ポレポレ東中野さんが特集を組んでくださった。心の底からありがとうございます。嬉しいです」と喜びを伝えた。 また「繕い裁つ人」に出演している中谷美紀、「少女」に出演している稲垣吾郎、映画評論家の北川れい子のコメントも到着。中谷は「『繕い裁つ人』の撮影にて、神戸で過ごした2週間は、まるでヴィスコンティーの作品のように高い美意識で埋め尽くされた三島監督の小さな聖域にて、誰にも邪魔されることなく作品だけに没入することが叶い、至福の時間でした。いつの日か再び、監督の笑顔見たさに撮影に励む日が訪れますように」と願いを込める。 稲垣は「三島監督には自分でも知らない、稲垣吾郎、という俳優の新たな一面を引き出していただき心より感謝しています」「まだ監督作品を知らずに過ごしている方々が一刻も早く監督の世界に出会い、魂の救いを得てほしいと願ってやみません」と述懐。北川は「今回の三島有紀子監督特集で、“優等生から本音の問題児監督”へと変貌する作品の流れを、もう一度、体験したい」と語った。 なお特集期間中にはキャスト、スタッフ、三島が登壇するトークイベントも開催予定。タイムテーブルやイベントの詳細、特集のオリジナルビジュアルは後日解禁される。 ■ 「一月の声に歓びを刻め」公開記念 三島有紀子監督特集 2024年7月20日(土)~8月2日(金) 東京都 ポレポレ東中野 <上映作品> 「一月の声に歓びを刻め」 「しあわせのパン」 「少女」 「繕い裁つ人」 「幼な子われらに生まれ」 「Red」 「オヤジファイト」 「よろこびのうた Ode to Joy」 「IMPERIAL 大阪堂島出入橋」 ■ 三島有紀子 コメント 映画とは、何か。考え続けているがいまもよくわからない。でも、映画を作れば、知らない人と話すこともできる。映画を作れば、共に考えてくれる人もできる。映画を作れば、共に歓んでくれる人悔しがってくれる人もできる。映画を作れば、あなたをもっと知りたいと思う。映画は、友達ができる。映画の作り方も友達の作り方も不器用だけど、そんな軌跡とも言える。 ほぼ毎日ポレポレのカフェにいる居候だからか、ポレポレ東中野さんが特集を組んでくださった。心の底からありがとうございます。嬉しいです。 スタッフと役者さんたちみなさんの、映画への愛を、是非観に来てください。 ■ 中谷美紀 コメント 「繕い裁つ人」の撮影にて、神戸で過ごした2週間は、まるでヴィスコンティーの作品のように高い美意識で埋め尽くされた三島監督の小さな聖域にて、誰にも邪魔されることなく作品だけに没入することが叶い、至福の時間でした。いつの日か再び、監督の笑顔見たさに撮影に励む日が訪れますように。 ■ 稲垣吾郎 コメント 三島監督と僕の最初の出会いは、映画「少女」(2016年公開)でした。その後4年の時を経て2020年久々に朗読劇「カラマツのように君を愛す」(小説「しあわせのパン」より)でご一緒する機会に恵まれました。どちらも大変印象に残っており僕にとって大切な作品です。ご一緒した時間は限られているのに、監督作品のファンである僕は、全作品、ご著書を拝見していますので、常に会話を交わしているような気持ちです。三島監督には自分でも知らない、稲垣吾郎、という俳優の新たな一面を引き出していただき心より感謝しています。これからも多くの作品を生み出していただき、まだ監督作品を知らずに過ごしている方々が一刻も早く監督の世界に出会い、魂の救いを得てほしいと願ってやみません。 ■ 北川れい子(映画評論家)コメント ★優等生から問題児へ。 なんと遠くに来たものだ。 三島有紀子監督の初期三作品「しあわせのパン」「ぶどうのなみだ」「繕い裁つ人」をそれぞれ公開時に観たとき、その真面目で誠実な作風に、三島監督は“正解の人"、“優等生の監督”という、いささか煙たい印象を持ったのだった。 が「少女」「幼な子われらに生まれ」「Red」と作品が続く過程で、いや待てよ、三島監督は決して“正解の人”となどという堅苦しく一元的な監督ではない。弱さを含めた人間の暗部や複雑さにも斬り込める、タフな監督なのだ、と遅まきながら印象をあらためたのだった。 そしてそして、ハードボイルドな問題作「一月の声に歓びを刻め」。 監督自身の体験をベースにした三章仕立てのこの作品の、痛みと傷みの映像的求心力は、直接には描かれていない部分まで鮮やかに想像させ、もう降参だ。 今回の三島有紀子監督特集で、“優等生から本音の問題児監督”へと変貌する作品の流れを、もう一度、体験したい。 あっ、まったく未見の短編作品は、 何をさておいても観なくては。