安定感のあるディフェンスで県制覇!仙台育英が利府をPK戦の末に下す
6月3日、令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)宮城予選決勝が行なわれ、仙台育英が利府をPK戦で下して3大会ぶり21度目の出場権を手にした。 【フォトギャラリー】利府 vs 仙台育英 「夏は休憩していたイメージがある」。城福敬監督が苦笑いを浮かべたように、2021年度大会を最後に夏の大舞台へ顔を出していない仙台育英。今年こそはという想いで臨んだ大一番は序盤から難しい展開となった。 得点源のFW河原宗眞(3年)を怪我で欠くなか、左サイドハーフの長滝立優(2年)のドリブル突破やロングスローから決定機を作り出していく。9分にはMF中西大晴(3年)がバー直撃の直接FKを放つと、こぼれ球を繋いでMF佐々木颯太(3年)が頭でゴールを狙う。19分にも中西が左サイドから運び、カットインから右足を振り抜くが枠を捉え切れない。21分には長滝が左サイドから中央に切れ込んで右足でゴールを狙ったが、これも得点に結び付けられなかった。 後半に入っても攻め切れず、時間の経過とともに相手のカウンターやロングスローから決定機を作られるシーンが増加していく。14分には後半開始から投入された相手の10番・FW鈴木太智(3年)に決定的なシュートを打たれるなど、苦しい時間帯が続いた。 後半の半ば以降は攻め込まれる時間がより増え、鈴木のロングスローから何度もヒヤリとする場面を作られてしまう。それでも2年生守護神・GK小川陽海を中心に粘り強く戦い、相手に得点を許さない。 70分で決着が付かず、勝負の行方は延長戦へ。仙台育英はロングボールやロングスローからゴールをこじ開けにかかる。しかし、決定打を繰り出せず、スコアレスの状態でPK戦を迎えた。 PK戦は1本目を中西が外したものの、残る3人は全員成功。相手のキックも1人目が外して迎えた2本目を小川がストップ。3人目も枠を外し、仙台育英が歓喜の瞬間を迎えた。 「ゴールが入らない時は1、2本のカウンターでゴールに行って、枠に行ったりするモノ。それが決勝点になることはあるので、身体を張って守り切ったことは大きい」 タフに戦い続けた選手たちを労った城福監督。今季はプリンスリーグ東北で開幕から5連敗を喫するなど、守備陣が思うように形を作れなかった。それでも、きっちり修正をして今大会に臨むと、安定感のあるディフェンスで県の頂点に立った。 決定力不足は課題として残るが、夏の全国舞台に望める価値は大きい。残された期間で修正をしながら、仙台育英は初の日本一を目指して戦い続ける。 (文・写真=松尾祐希)