抗菌マステは効果あり!梅雨はカビのシーズン、ハウスクリーニングのプロが教える掃除術【浴室編】
洗剤は何を選べばいい?プロがオススメするお風呂掃除術
お風呂のカビを予防する環境を整えたら、次は洗浄。ドラッグストアなどに行けばたくさんの種類のお風呂用の洗剤が売られていますが、どういったものを選べばいいのでしょうか? 「お風呂というのはカビや石鹸カス、皮脂汚れ、あと水のカルキ汚れ。そういった異なる汚れが混在する場所です。これらすべてが落ちるオールインワンの洗剤というのは、残念ながらありません。カビに効果があるのは塩素系洗剤ですが、石鹸カスや皮脂汚れ、水のカルキ汚れに効果を発揮するのは酸性洗剤。塩素系と酸性を混ぜたら有害物質が発生して大変危険なので、絶対混ぜちゃいけない。つまり汚れを落とすときにまず塩素系でカビを取り、しっかり水で流した後に、酸性の洗剤を使う。オススメなのはこの方法です」 とはいえ、普段のお風呂掃除で2つの工程を行うのは正直手間がかかります。 「そうですよね。そのためドラッグストアなどでよく売られているお風呂用洗剤は、塩素系と酸性の中間ともいえる“アルカリ性”が主流です。確かにカビなどの塩素系の汚れにも酸性系の汚れにもそこそこ効果があるのですが、強力な洗浄力はあまり期待できません。 ですからお風呂掃除でオススメなのは、アルカリ性でも対応できる程度の汚れのうちに、こまめに洗浄すること。そしてもうひとつ。これは僕が個人的に自宅で行っている方法ですが、まずはお風呂に入るたびに必ず最後に1分間から2分間シャワーで真水をお風呂全体にかけてお風呂の温度を下げる。その後に、水で希釈したクエン酸をお風呂全体にかけると、これだけでお風呂掃除がほとんど必要なくなります。簡単なのでオススメですよ」
プロも大注目!イオン系の抗菌グッズも効果が期待できる
また最近は抗菌タイプのマスキングテープや置くだけでカビが防げる商品なども発売されており、活用している人も多いと思います。これらは果たしてどのくらい効果があるのでしょうか? 「はっきりいって、絶対的な効果が期待できると思います。今後ハウスクリーニングで間違いなく注目を集めるのが、これらの抗菌やバイオ系の商品。これってどういう理論かというと、まず一つの理論としては、キッチンの排水口などは汚れがたまるとヌメヌメしますよね。このヌメヌメの正体は雑菌なんですけど、排水口にアルミホイルを丸めたものを一つ入れるだけで、ヌメヌメがなくなるんです。これは銀イオンによる殺菌作用によるもので、この原理と同じなんです。こういったマスキングテープや置くだけで抗菌できる商品も同様に、バイオの力によるものなんです」 これからカビが大量発生する時季となりますが、まずは重要となるのは汚れる前に予防すること。そのためにはお風呂なら湿度と温度を下げる工夫をしたり、バイオ系の抗菌商品を活用するのが良さそうです。その対策をするなら、本格的な夏が到来する前がベスト! できれば今すぐ、お風呂場のカビや汚れの対策をしてみてください。 撮影/黒石あみ(小学館)
【教えてくれた人】
お掃除アドバイザー・ハウスクリーニング専門家 春日富士(かすがふじ)さん 清掃代行 NAGAREBOSHI 本部事業統括・一般社団法人 日本洗濯機クリーニング協会理事。20年以上にわたりハウスクリーニングの現場に携わり、さまざまな清掃分野に知見を持つ。エアコンクリーニングや水回り清掃を中心に作業従事するかたわら、2015年に国内初となる「洗濯機分解クリーニング」を公式サービスとして提供開始。以降約10年の間、国内洗濯機クリーニング取扱高全国1位。2020年から全日本消毒業協会理事としても活動している。
高山恵