またも「不使用」なのにアスベスト数十%検出 ネット通販大手アマゾンで販売の実験用金網4製品で法違反 中国からの輸入品か
ネット通販大手アマゾンで販売されていたアスベスト(石綿)を「不使用」と謳う製品を含む実験用金網4製品から基準超の含有が確認されたと9月13日、厚生労働省が発表した。アルコールランプなどのセット商品に付属する金網にも石綿が含まれていたという。石綿が飛散する可能性があることから同省は「使用を中止して回収などの手続きをしていただきたい」と呼びかける。(井部正之) 【関連資料】新たにアスベストが数十%も検出された実験用金網4製品の詳細
◆類似品はいまだ販売継続
今回同省が公表したのはLIFE STORE、OLYCRAFT JP、嘉華百貨店を名乗る事業者(法人なのかなど不明)がアマゾンで出品・販売していた実験用金網4製品。 市場で流通している製品を買い取って安全性を調べる同省の買い取り試験で明らかになったもので、4製品すべてから基準(重量の0.1%)超のクリソタイル(白石綿)が検出された。同省は石綿の含有率を公表していないが、筆者の取材に対し、「0.1%超とか微々たるものではない」(化学物質対策課)と説明。確認すると、数十%と認めた。 製品名に「セラミック金網」「石綿金網」の両方を含むのは2製品。ただしLIFE STOREが出品した製品は、上記両方を含むが商品説明に石綿が使われていないと記載されていたという。OLYCRAFT JPの1製品は「セラミック金網」などと記載し「石綿金網」の記述はなかった。 またOLYCRAFT JPによるもう1製品はアルコールランプや三脚などがセットになったもので、「アルコールランプセット」との文言が製品名に含まれる。一方、「石綿金網」「セラミック金網」のいずれの記載もなかった。 同省によれば、これら4製品についてアマゾンでは出品停止済み。またほかのネット通販事業者に対して同じ製品の取り扱いがないか確認中という。 同省は通常の使い方で使用する限りは「石綿が飛散する可能性は極めて低い」というが、金網中央の白い耐火材が劣化して脱落するなどした場合に飛散の可能性があるとして、ビニール袋などに入れてテープなどでしっかり封をして保管するよう求めている。また出品者ないしアマゾンジャパン合同会社から回収などの対応について個別に連絡があるのでそれに従い、飛散やばく露がないよう手続きしてほしいとのこと。 同省は説明を避けるが、アマゾンの出品者情報によれば、OLYCRAFT JPは中国の湖北省武漢市、嘉華百貨店は陝西省宝鶏市の事業者である。今回の3事業者のうち、少なくとも2事業者の3製品は中国からの輸入品とみられる。 ほかの通販サイトでも同名や類似した製品が販売されており、注意が必要だ。 この間の同省による取り組みでかなり減ってはいるが、いまだにアマゾンでも中国からの輸入品とみられる類似品のアルコールランプセットやセラミック金網の販売が続く(9月19日午後8時確認)。ヤフーフリマでも類似品の販売があった(同)。いずれも中国からの輸入品とみられ、価格からも石綿含有の可能性がありそうだ。