第93回選抜高校野球 健大高崎、春の夢舞台 2年連続5回目 打力で優勝を目指す /群馬
第93回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催、朝日新聞社後援、特別協力・阪神甲子園球場)の出場校選考委員会が29日にあり、昨秋の関東大会で優勝した健大高崎が甲子園への切符をつかんだ。健大高崎は中止になった前回大会に続いて2年連続5回目の選出。大会は2月23日に組み合わせ抽選があり、3月19日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。【川地隆史、佐藤伸、妹尾直道】 昨秋の関東大会での優勝など新チームになってから公式戦負けなしの健大高崎が、今年もセンバツ出場校に選ばれた。新型コロナウイルスの感染拡大で、昨春のセンバツは、戦争による中断を除いて初めて大会が中止された。未曽有の事態で涙をのんだ3年生の思いを背負い、全国制覇を目指す。 午後3時46分ごろ、健大高崎の校長室の電話が鳴った。出場を知らせる大会本部からの電話に、加藤陽彦校長は「ありがたくお受けいたします」と答え、ホッとした表情を見せた。 加藤校長はグラウンドでユニホーム姿で待つ選手らに出場決定を報告し、「健大野球部の新しい伝統を築いてもらいたい」と激励。選手らは声を上げず、マスク姿のまま引き締まった表情を見せた。主戦の高松将斗(2年)は「結果が出ず、つらい時もあったが、ようやくここまでこられた」と笑顔を見せた。 新型コロナの感染拡大が小康状態となった夏に開かれたセンバツ交流試合では、帯広農(北海道)に1―4で敗れた。青柳博文監督はこの試合を機に、「投手が良くても、打てなければ勝てない」と打撃の重要性を実感したという。 新チームでは1、2年を担当する赤堀佳敬コーチの指導のもと、打撃を強化。上位から下位まで長打を狙えるチームを目指し、振り込みを続けた。その結果、打力で圧倒する昨秋の好成績につながった。県大会では6試合で計57得点。関東大会では4試合で出場校最多の計8本塁打を放った。 センバツでの最高成績は2012年大会の4強。今春目指すのはもちろん全国優勝。青柳監督は「身が引き締まる思い。今日の思いを糧に頑張りたい」と語り、小沢主将は「持ち味の打撃で甲子園を沸かせたい」と意気込んだ。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇健大高崎 17年に8強入り 1968(昭和43)年創立の私立高。2001年に前身の「群馬女子短期大学付属高校」から「高崎健康福祉大学高崎高校」に名称変更した。運動部、文化部の活動はいずれも活発で、硬式野球、サッカー、陸上、ソフトテニスなどの強化指定部がある。 硬式野球部は01年創部。創部11年目の11年夏に甲子園初出場を果たし、翌12年のセンバツで4強入り。14年春からは3季連続で甲子園に出場したほか、17年春のセンバツでは8強に入った。 硬式野球部OBには、三ツ間卓也選手(中日)、山下航汰選手(巨人)らがいる。20年秋のドラフトでは、下慎之介選手がヤクルトから育成枠1位で指名された。 ……………………………………………………………………………………………………… ◇20年秋の公式戦の成績 <県大会> 1回戦 〇15-0 吉井 2回戦 〇7-0 桐生市商 3回戦 〇8-6 高崎商 準々決勝 〇10-7 前橋育英 準決勝 〇12-3 館林 決勝 〇5-0 前橋商 <関東大会> 1回戦 〇6-1 日本航空(山梨) 準々決勝 〇8-1 国学院栃木(栃木) 準決勝 〇9-2 専大松戸(千葉) 決勝 〇9-7 常総学院(茨城) ……………………………………………………………………………………………………… ◇秋の公式戦登録選手 投 高松将斗 2 捕 綱川真之佑 2 内 桜井歩夢 2 内※小沢周平 2 内 伊藤翔哉 2 内 吉里竜門 2 外 野中駿哉 2 外 高村尚杜 2 外 堀江晃生 2 投 金子茉由 2 投 高橋知輝 2 捕 清水叶人 1 外 森川倫太郎 2 内 海老原崚 2 内 上野元希 2 投 中野颯太 2 外 園山尋斗 2 外 松本京大 2 外 石崎伶 2 投 今仲泰一 2 外 風間力輝 2 外 土谷歩夢 2 内 浮田雄大 2 内 田辺悠人 2 内 木戸爽多 2 外 横尾友都 2 投 桑原大和 1 左から守備位置、氏名、学年。※は主将