WBC世界ライトフライ級統一王者・寺地拳四朗、パッキャオも出た映画の監督&主演結城貴史を祝福
ボクシングを描いた日本、フィリピン合作映画「DitO(ディト)」(26日公開)完成披露上映会が3日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われた。舞台あいさつに、プロボクシングWBAスーパー、WBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(32=BMB)が駆けつけ、監督デビューを果たし、プロデュースもした主演の結城貴史(48)に祝福の花束を贈った。 「DitO(ディト)」は、フィリピンの公用語のタガログ語で「ここ」を意味する。2001年(平13)のNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」で俳優デビューし、11年に映像制作会社KURUWA.LLC(曲輪合同会社)を設立し、活動する結城が主演し、初監督を務めた。劇中で、日本に妻子を残して異国の地・フィリピンで再起をはかるプロボクサーの神山英次を演じた。 結城は、この作品のシナリオハンティングを行っていた18年に、試合前の合宿でフィリピンのエロルデジムに来ていた寺地と出会ったという。「映画に出てきたエロルデジムに(寺地が)調整に来た。シナリオハンティングの段階…18年に初めて会った」と振り返った。そして「世界チャンピオンがいる…なかなか、ないじゃないですか。でも『映画、撮っている人ですか』と拳四朗君から話しかけてくれた」と続けた。 寺地は「しゃべりやすかった。メッチャ、その場で仲良くなった。三迫ジムでマスボクシングやりました」と結城と練習もしたと明かした。結城から「一緒にトレーニングをやった。ボコボコにやられた」と言われると「ジムに来た時、普通にできてるやんと驚いた」と結城のボクシングの腕前をたたえた。 映画には、元世界6階級制覇王者でRIZINなどと試合契約を結ぶマニー・パッキャオ(45=フィリピン)も出演している。母国フィリピンでは05年の初主演映画「Lisensyadong kamao」(原題)など複数本の映画に主演、出演しているが、関係者によると合作ではあるが、今作で海外の映画への初出演を果たしたという。パッキャオは、劇中で世界チャンピオンのガブリエルを演じ、神山とのスパーリングシーンでは結城と拳を交えた。 パッキャオが、キャリアの終盤戦に差しかかってから口にしてきた「Age is Just a Number」(年齢なんてのは、ただの数字だよ)が映画のテーマで、ガブリエルがその言葉を神山に投げかけるシーンは、作品の大きな見どころだ。結城は、パッキャオの出演について「ずっと準備していた。映画のテーマが『再生』と『年齢はただの数字だ』という、パッキャオが普段、口にしている言葉。言って欲しいよねと…。若い頃、エロルデジムに来ていて」とパッキャオとの接触を振り返った。そして「ラスベガスの試合に呼んでいただいたり、関係性ができて…奇跡のような出会いの連続」と感慨深げに振り返った。 舞台あいさつには、生き別れた父・神山を探してフィリピンにやって来る娘の桃子を演じた田辺桃子(24)と、神山の妻ナツを演じた尾野真千子(42)も登壇した。