「ダイワ」主催の子供向けフィッシングスクールに潜入。そこ見た“釣り育”という自然体験
“街で着るアウトドア”としても馴染み深い釣具ブランド「ダイワ」が開催する、子供を対象にしたフィッシングスクールをご存知だろうか。 ▶︎すべての写真を見る 自然と向き合いながら自立心を育む釣り体験について、同ブランドを製造・販売するグローブライドの西垣哲哉さんに詳しく伺った。
ビギナーだって釣れる驚きの釣りスクール
「今の時間帯、それだとタナが合っていないかもしれませんね」。 自然の入り江を活かして造られた釣り堀「ジャンボフィッシング村」で糸を垂らしアタリを待っていると、プロアングラーの古川恵一郎さんが優しく声をかけてくれた。 タナとは魚が泳いでいるところ。いわば水深のことで、魚のいる深さを推測して仕掛けを作ることにより、釣れる可能性は高まる。 古川プロは、早朝に作った仕掛けではタナが深い、と指摘した。そしてささっと調整してキャストし、「これで待ってみてください」と言う。 程なくして今度は「仕掛けも変えましょう」と言って手早く仕掛けを変更。餌も変えてキャスト。「これで」と竿を渡され待っていると……すぐにアタリがきた。 みるみるウキが沈み込んでいく。「きましたね。でも、まだですよ」。 完全に水面下に消えていった。「まだ大丈夫。まだまだです」。 するとウキがぷくっと海面に顔を出した。そしてすぐにまた沈んでいく。ゆっくりと沈み、沈んで、ウキの姿が消えて……。「今です!」。 古川プロの声に合わせて一気に竿を立てる。なんと、見事にヒットした!瞬時に竿がしなっていく。と同時に、腕に確かな重みが加わる。 バラさないように、焦らず、高揚しそうな気持ちを抑えながらリールを巻く。徐々に徐々に魚影が明らかになってきた。 「はい、もう巻かなくて大丈夫ですよ」という古川プロの言葉が合図となって、ホッと緊張感が解けていく。タモで取り込んだのは真鯛。人生初の釣果だ。 それにしても、わずかなアドバイスでビギナーに釣らせるとは。「そのために来ているんです」と笑顔を浮かべる古川プロは、「これでみんな釣ったんじゃないかな」と続けた。 全員に釣りの楽しさを体験してほしい。それが彼らD.Y.F.C(DAIWA YOUNG FISHING CLUB)を運営する者たちの矜持なのだ。