⚽五輪代表・DF関根 パリのピッチで“静学イズム”を 小学生から磨いた足元の技術
幼いころから培った足元の技術で、パリ五輪のピッチへ駆け上がった。サッカー男子のDF関根大輝(21)=柏レイソル、静岡学園高出=が3日、日本代表に決まった。小学生のころからたたき込まれた“静学イズム”を武器に今季、一気に台頭した大型サイドバック。56年ぶりのメダルを狙う日本の主力として関係者は大きな期待を寄せる。 小学校時代に所属した東源台FCではFW。すでに周囲より頭一つ大きく、チーム一の点取り屋だった。ただ、当時指導した渡辺力也さん(53)=静岡市駿河区=は「強引に得点しようという気質はなかった」と振り返る。自身も静岡学園高出身で「身体能力で追い付かれた時、技術がないと駄目」と個人技を徹底的に磨くのが指導方針。その中で当時の関根は「リフティングでできない技があればひたすら没頭していた。うまくなることにすごく貪欲だった」。自信を持って静岡学園中に送り出した。 中学でセンターバックに転向。高校では2020年冬の全国高校選手権を制した次の代で主将を務めた。川口修監督(51)が最も評価するのは人間性。「取り組み姿勢が素晴らしく、後輩からも慕われていた。近年の主将でナンバーワン」と断言する。当時はまだプロから声は掛からなかったが、拓大でサイドバックに挑戦し花開いた。 最終ラインから攻撃を組み立てる代表にあって、ボールコントロールに不安を感じさせず、効果的な攻撃参加や献身的な守備への信頼も厚い。「小学校時代に教えたことが少しでも生きていればうれしい。元FWとして得点感覚もあるはず。勝利につながるゴールを」と渡辺さん。川口監督も「五輪は自分の価値を示すチャンス。A代表も狙えるし、欧州でも活躍できる。そうなれば、もっと成長できる」と、さらなる飛躍を願った。
静岡新聞社