ギリシャでインフレ抗議のゼネスト、公共交通がまひ
[アテネ 20日 ロイター] - ギリシャ全土でインフレに抗議するゼネストが20日発生し、船舶や鉄道、バスの運行が止まり、公共交通機能はまひしている。首都アテネでは、国内最大の労働組合メンバーである医師や教員、建設・運輸労働者ら数千人が賃上げと生活水準の向上を求めてデモ行進しながら「労働者の権利は法律だ」と主張して「物価高騰に反対するゼネスト」と書かれた横断幕を掲げた。 参加者の1人、裁判所職員のストラティス・ドゥニアスさんは「スーパーマーケットに行くたび、電気料金が上がるたびに私たちは絶望的な気持ちになる。物価高騰に対する真の解決策を求めている」と話した。 ギリシャ経済は2009―18年の政府債務危機後に回復しつつあるものの、当時の影響が今も残っており、生活費が跳ね上がる一因となっている。 給与水準は欧州平均を下回り、国民1人当たりの国内総生産(GDP)は欧州連合(EU)内で最低水準にある。こうした状況下でインフレが進行し、エネルギーや食料、住宅費が給与や年金の上昇ペースよりも高い状態が続いている。 ゼネストは、ミツォタキス内閣が25年度予算の最終案を議会に提出したことを受けて行われた。同内閣は25年の経済成長率についてEU平均を上回る2.3%増と見込み、歳出の一部は賃金や年金の増額支援に充てる方針。首相は18日、賃金と生活水準の面で改善が足りないことを認め、EUに電力コスト格差是正を再度求めていた。