大の里よ「早く横綱に」 金沢で550人、快挙喜び合う
●熱い期待に笑顔「何度も経験できるよう」 「石川の星や」「早く大関、横綱になって」。2日、金沢市のホテル日航金沢で行われた大の里の初優勝祝賀会では、集まった約550人が「史上最速V」という快挙を喜び、さらなる飛躍を期待する声が相次いだ。大の里は、多くのファン、石川県民の熱い祝福に終始笑顔を見せ「この経験を何度もできるようにしたい」と故郷からの後押しに応えられるよう精進を約束した。 ●優勝祝賀会に格上げ 祝賀会は当初、新入幕を祝おうと2月に開催される予定だったが、元日の能登半島地震で延期に。スピード出世で新三役昇進のお披露目の場に変更され、さらに初優勝祝賀会に「格上げ」となった。 午後2時。大の里が登場すると、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。壇上で「かっこいいー」「優勝おめでとう」と声援を受けると、大の里ははにかんだ表情を見せた。 ●かわいい系力士に 司会者とのやりとりで、優勝後の変化について問われると、「(以前は)声を掛けられなかったのに、たくさん『おめでとう』と言われてうれしい」とにっこり。どんな力士になりたいかという質問には「かわいい系で」とおどけて見せた。 記念品の酒升にサインをもらったという金沢市の天井由貴子さん(62)は「すぐ関脇、大関になるし、小結時代はレア。家宝です」と興奮した表情で話した。 初土俵から7場所という史上最速の優勝を果たした「大器」に、出席者からはさらに上の番付を求める声が続々と上がった。 大の里の中高大の先輩で「憧れの選手」と慕われる三輪隼斗さん(29)=穴水町出身、ソディック=は「僕が憧れる方になりました」と笑顔。大の里の父・中村知幸さんの幼なじみで、大の里を幼いころ抱っこしたという北田明里さん(49)=金沢市=は「赤ちゃんのときから大きかったけど、体も器もこんなに大きくなるなんて」と喜んだ。 新潟・海洋高の恩師、村山智明元監督(45)は「ものすごい潜在能力。もっと上を目指せる」とその実力に太鼓判。「気は優しくて力持ちの泰輝のまま、日本中から愛される力士になってほしい」と目を細めた。 ●松山から「聖地巡礼」 2月に津幡町後援会に入会したという松山市の矢野和子さん(73)は1日に石川入りして津幡町のゆかりの地を巡った。「これから何度も石川に来たい」と声を弾ませた。 祝賀会では金沢、金城の両相撲甚句会の相撲甚句が披露され、津幡町庄町青年団の獅子舞演舞が花を添えた。大の里は獅子頭を手に青年団のメンバーと写真に納まった。 このほか、二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)、馳浩知事、大の里郷友会の酒井壮司会長らがあいさつ。津幡町後援会長の矢田富郎町長が「パレードいつやと聞かれるので、1日貸してください」と親方に呼び掛ける場面もあった。祝賀会はアイ工務店(大阪市)、大の里関後援会、二所ノ関部屋後援会が主催した。