猛暑で日中の交通死亡事故増加の可能性 広島県警が注意呼びかけ 注意力低下を防ぐには、首周りを冷やすのが効果的
10年に一度といわれる酷暑。広島市の猛暑日は29日となり、2018年の過去最多を更新した。この暑さが交通事故の増加に繋がっている可能性があるとして、広島県警が注意を呼び掛ける事態となっている。 【画像】猛暑で事故増か 高齢者は首周りを冷やして対策を
日中の死亡事故増
広島県内では猛暑日が続いていたが、熱中症の搬送と同じようにこの夏、交通事故が増えているという。 広島県警 交通企画課管理官 宮庄 律和 警視: 高齢者の方、自転車、バイク運転中、あるいは車の運転の単独事故で亡くなるケースが非常に多いような状況ですね 7月1日から8月20日までに広島県で発生した交通死亡事故は15件で、亡くなった人は2023年の同じ時期の7人と比べて2倍以上になっている。そして、交通死亡事故が起きた時間帯に特徴がある。 広島県警 交通企画課管理官 宮庄 律和 警視: 7月以降は、日中の時間帯に死亡事故が集中しているという感じです。気温が高いので注意力が散漫になって、交通事故に繋がるようなケースもあると考えています
暑さが認知能力低下を招く 首周りを冷やすと効果的
厳しい暑さは注意力に影響するのか。専門家に聞いた。 広島大学大学院 人間社会科学研究科・長谷川 博 教授: 注意力や判断力を広く「認知機能」と呼んでいますが、体温が38℃を超えて39℃になってしまうとか、さらに体温が過度に上昇した場合、あるいは体重の2%以上の脱水が起きた場合には、認知機能が低下することが知られています。高齢者の方は、少しの脱水でも、体にはすごくダメージになってしまいます 体温を下げる方法としては、体の温度センサーが集中している首周りを冷やすことが効果的だと言う。 広島大学大学院 長谷川 博 教授: 首周りには温度のセンサーが非常にいっぱいあるので、そこを暑い環境下で冷やすと、いわゆる温度センサーが感知して、脳が心地よいと感じて、モチベーションを上げたり、認知機能の低下を防いだりということができます そして、最近、熱中症対策として注目されているのが「アイススラリー」と呼ばれるシャーベット状の飲み物だ。 広島大学大学院 長谷川 博 教授: アイススラリーは細かい氷に液体が混ざったようなドロッとしたシャーベット飲料で、液体に比べて体を冷却する効果が非常に高いです。あと手のひらを冷却すると、体の深部の体温が低下すると言われていて、揉みながら適した硬さになった時に飲むと、手のひらからの冷却効果と、飲んだ影響によって深部体温を下げる効果もある 8月20日に発表された気象庁の3カ月予報によると、9月、10月も暑い日が多い見込みだ。
車内温度下げるには、窓を全開、エアコン外気導入で走る
車の中の暑さ対策も、注意力や認知能力低下を防ぐ意味で重要だ。 車を屋外に止めておくと非常に暑くなるが、車内の温度の効果的な下げ方について、JAF(日本自動車連盟)は、エアコンのかけ方などをいろいろ実験して比べてみたそうだ。 一気に温度が下がったのは、エアコンをつけて車を走らせた場合で、実際にどうすればいいかというと、まず窓を全開にして、エアコンを外気導入で走る。そして、車内の熱気が出たら窓を閉めて内気循環にして冷やすと短時間で温度が大きく下がる。燃料の消費や、排ガスなど、環境面でもメリットがあるということだ。車内が暑くなったときに、試してみてはいかがだろうか。 (テレビ新広島)
テレビ新広島