モロッコでIMF年次総会開催 最大のテーマは「ウクライナ問題」穀物供給への攻撃で食料価格高騰
日テレNEWS NNN
北アフリカのモロッコでIMF・世界銀行の年次総会が行われ、日本の鈴木財務相らも参加しました。現地を取材して見えてきた、ロシアによるウクライナ侵攻の影響とは―。 ◇ 大神櫻子記者(NNNマラケシュ)「地震から1か月ほどたったマラケシュの街では、亀裂の入った建物の修復作業が行われています」 先月、地震で2900人以上の死者が出た北アフリカのモロッコ。復興作業が進む中、町には少しずつ活気が戻ってきています。 いま、この町に多くの人が訪れている理由は、アフリカで50年ぶりの開催となるIMF・世界銀行の年次総会です。震災後すぐ、「観光客に戻ってきてもらいたい」というモロッコ政府の強い意思で、予定通りの開催が決まったといいます。 会議の最大のテーマは「ウクライナ問題」。ウクライナのマルチェンコ財務相も招待され、G7各国が「揺るぎない支援」を再確認しました。ただ、ウクライナ問題に起因する物価高の影響は、モロッコにもおよんでいます。 大神櫻子記者(NNNマラケシュ)「こちら1キロの柿です。去年は日本円で150円でしたが、今年は倍の300円で販売しているということです」 さらに、大きな影響が出ているのはパン店です。 パン店の客「全粒粉のパン(を買ったわ)。毎日買いに来ます」 買っていたのはモロッコ人の主食である伝統的なパン。実はこのパンは、ウクライナから輸入した小麦で作られているといいます。 パン店 ハディジャ・アラウィーさん「使っている原料の価格が上がりました」 今回の会議でG7は、ウクライナに穀物を依存する国々の食料価格の高騰を問題視し、共同声明でロシアに対し、ウクライナの穀物供給への攻撃をやめるよう求めました。 戦争の長期化で、食料やエネルギー価格の先行きが不透明の中、今後、国際社会が団結して解決に向けた行動に移せるかが問われます。