【インドネシア】ユニ・チャーム、大人用おむつの通気性改良
衛生用品大手ユニ・チャームのインドネシア法人、ユニ・チャーム・インドネシアは29日、大人用紙おむつ「ライフリー」のリニューアル商品を6月中旬に発売すると発表した。テープタイプの大人用紙おむつとしては同国で初めて、全面に通気性素材を使用した。通気性を向上させて褥瘡(じょくそう=床ずれ)につながる肌荒れを予防し、近隣国に比べて高いインドネシアの褥瘡発生率をゼロにすることを目指す。 新商品は、29日のインドネシアの「高齢者の日」に合わせて発表した。主な改善点は◇テープを貼る腹部の素材を非通気性のフィルムから、不織布に変えて通気性を向上◇繰り返し付け外しができるように、従来の粘着テープからテープの素材を変更◇吸収力を向上――の3点。販売価格はLサイズ7枚入りが5万ルピア(約480円)。改良に伴いコストは若干増えたが従来品の水準で据え置いた。 ユニ・チャームが実施した研究によれば、非通気性素材の紙おむつに比べて、おなか周りの肌水分量が25%、おむつ内の湿度が23%、それぞれ改善した。 インドネシア保健省によると、同国では介護ケアの知識不足などから褥瘡の発生率は33%と、東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国に比べても高い。ユニ・チャーム・インドネシアは、寝たきりの高齢者が多く使うテープタイプの紙おむつと、尿取りパッドを併用する「2ピースケア」を適切に行うことで褥瘡を防げるという研究と周知活動を進めており、インドネシアの褥瘡発生率をゼロにする目標を掲げている。 ただ、尿取りパッドはまだ市場にはあまり浸透しておらず、紙おむつ自体にも通気性を高める必要があると考えて、テープタイプの紙おむつの改良に向けて開発を進めてきた。テープタイプの大人用紙おむつで全面通気性素材を採用している商品は、インドネシアにはまだ他にない。 ユニ・チャーム・インドネシアの寺川琢己社長は「新商品を使ってもらうことで介護される方はもとより、介護をする人にも健康な生活を過ごして笑顔になってもらいたい」と話した。