攻守でU-23代表戦士を凌駕した湘南DF畑大雅「多少意識はしますけど、とにかく勝つために」
[5.15 J1第14節 柏 2-1 湘南 三協F柏] 湘南ベルマーレの先制点の起点となったのは、左WBを務めるDF畑大雅だった。DF大野和成が相手のロングボールをはね返したボールが畑につながると、畑は前線を見ながら左サイドから中央へと流れる。柏の左SBであるDFジエゴの背後のスペースで呼び込んでいたMF池田昌生へ、畑はパスを選択する。 【写真】「マジで美人」「可愛すぎてカード出る」現地観戦した女子アナに称賛集まる 「セカンドボールは相手に拾われる回数が多かったので、しっかりそこをパスにしていこうっていう話をしたので。カズくん(大野)からクリアせずにパスがつながって、前を見たときにマサくん(池田)が走っているのが見えた」 畑からのボールが入った池田は柏DFと対峙しながらもPA内でタメをつくると、ゴール中央のFW福田翔生へラストパス。これを福田が右足でゴール左へ流し込んだ。 柏の布陣を見ると、2列目に入るときは左サイドを務めているるFWマテウス・サヴィオが、この日は右サイドで先発した。井原正巳監督は、「湘南さんの左サイドは畑選手を含めて非常にアグレッシブにサイド攻撃をしてくるチームですので、そこにサヴィオをぶつけることで抑えられる」という狙いがあったというが、それでも湘南は左サイドからチャンスを次々につくっていった。 前半19分にはDFキム・ミンテのロングフィードでDF関根大輝の背後をとった畑が、そのまま一気にシュートへ。同26分には、畑が後ろを回ったDF大野和成に出し、大野のクロスを柏DFが処理したこぼれ球をMF平岡大陽が狙うなど、左サイドからの攻撃が柏ゴールを襲った。 「PA内に進行できる回数も、3人でやりながら増えてきてますし、ボールを前進させるって部分ではいい連携はとれとれていると思う」と畑は手応えを感じているという。 一方で畑が「切っているつもりだったんですけど、切れていなかった」と悔やむのが、後半アディショナルタイムに柏のMF島村拓弥の対応をした場面だ。レフティの島村は、畑を抜かずに左足でクロスを入れると、それがFW細谷真大にわたって逆転となるゴールを許してしまった。 湘南と柏のメンバーを見ると、パリ五輪世代が多い。AFC U23アジアカップの優勝メンバーである湘南のMF田中聡は出場停止だったが、柏の細谷と関根は揃って先発。ほかに2001年以降の生まれでいえば、湘南の畑、MF平岡大陽、FW鈴木章斗、DF高橋直也、FW福田翔生。柏のMF土屋巧、MF熊澤和希、FW鵜木郁哉が名を連ねており、大岩剛U-23日本代表監督が視察に訪れていた。 畑がマッチアップしたのは、AFC U23アジアカップで名を上げた関根だ。前半19分のシュートシーンで裏をとっただけでなく、攻守で売り出し中の右SBを圧倒した。「多少意識はしますけど、特別にやってやろうという気持ちよりは、とにかく勝つために」。両チーム通じて最長となる11.615kmの走行距離を記録した22歳のDFは、チームのために走り続ける。