大石静、『光る君へ』紫式部への思いを明かす “出演を迷った”『あさイチ』で語った秘話
『光る君へ』脚本家・大石静が強調した、紫式部の“永遠の存在感”
また、脚本の大きな軸に「恋愛」をおきながらも、女性を単に“恋に溺れる人”として描かないのも大きな特徴と言える。『光る君へ』の主人公・まひろ(吉高由里子)も道長(柄本佑)と出会い恋に落ちるが、同時に文学の持つ力や政治に興味を持つようになっていく。「好きな人に振り向いてほしい」という気持ちだけで行動せず、それだけで人生を終わらせたくないという強い気持ちがまひろからは感じられるのだ。 番組の後半では、視聴者から寄せられた「このドラマで最もしあわせなキャラクターは?」の質問に対し、大石は「自分の作品が千年後も読まれているヒロイン」と紫式部の永遠の存在感を強調。すかさず、「清少納言も……」と付け足すファーストサマーウイカのコメントもあり、スタジオの雰囲気も和やかに包まれた。 そんなまひろをはじめ、自ら作りあげたキャラクターを見つめる大石の目線は至って冷静だ。『あさイチ』で自らが描いた紫式部(まひろ)という人物について、大石は「紫式部はとても気難しい人」とバッサリ。その上で、紫式部を「人間は意に反して生まれ、意に反して死ぬ。その間を、虚しい、思うようにいかない人生を、生きるんだって思っていた」人間として描いたことを明かした。宮中で慣れない生活をしているまひろのこれからを大石のような目線で見ると、また違ったものが見えてくるかもしれない。
久保田ひかる