まもなくドラフト会議!知名度は低いが、プロ入りすれば大化け? 各球団が密かに狙う“4人の有望株”
“指名漏れ”から2年の左腕は雪辱なるか
続いて、社会人の候補。昨年の度会(前出)のような目玉は不在で、全体的に有力候補も少ないと見られている一方で、NTT西日本の左腕、伊原陵人がここに来て浮上してきた。 智弁学園や大阪商業大で主戦投手として活躍していた伊原。身長が170cmと低く、スカウト陣の評価は高くなかった。社会人野球に進むと、体が一回り大きくなり、コンスタントに140キロ台後半をマークするまでにスピードアップを果たす。 ストレートの回転数は、プロのトップクラスに匹敵する数字をたたき出しており、相手打者の手元でのボールの勢いは素晴らしい。視察したパ・リーグ球団スカウトも、伊原の成長に驚かされたという。 「大学時代と比べて、本当にボールが力強くなりました。高めのボールは浮き上がってくるように見えます。変化球を投げても、腕の振りが緩まないですし、緩急の使い方も上手い。早く一軍で使える左投手はどこも欲しいですから、高い評価になることも十分考えられますね」 9月に行われた日本選手権予選では先発、リリーフでフル回転の活躍を見せ、チームを本大会出場に導いている。大学時代はプロ志望届を提出しながらも、悔しい“指名漏れ”を経験した伊原。2年越しのドラフト指名が射程圏内に入ってきた。 今回、取り上げた4選手は、プロ入りすれば、“大化け”する可能性を秘めている素材だ。ドラフト会議でどの球団に指名されるのか、ぜひ注目して頂きたい。
西尾典文(にしお・のりふみ) 野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。 デイリー新潮編集部
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