競泳、パリ五輪の道は「一発勝負」の選考会 派遣標準記録突破の上、2位以内で代表内定 17日に開幕
競泳のパリ五輪代表選考会は17日に東京アクアティクスセンターで開幕する。大会は24日までで、代表切符の獲得には決勝で派遣標準記録を突破した上で、2位以内に入ると決まる。 ■SNS騒然「合成…じゃないよね」橋本環奈が降臨【写真】 九州勢では男子平泳ぎで元世界記録保持者の渡辺一平(トヨタ自動車)=大分県津久見市出身、女子平泳ぎの鈴木聡美(ミキハウス)=福岡県遠賀町出身=が2016年リオデジャネイロ大会以来となる大舞台を目指す。昨夏に福岡市で開催された世界選手権に出場した男子背泳ぎの竹原秀一(東洋大)=福岡県宗像市出身、田中大寛(早大)=大分県別府市出身=は初の代表入りを狙う。 渡辺は昨年の世界選手権で代表復帰を果たし、日本のエースとしての期待がかかる。かねてキャリアの中でも一番の悔いは東京五輪時の選考会と公言。「応援してくださってる人たちの期待を裏切ったなと思った。自分の持つ力をフルに出せなかった」。一昨年から12年ロンドン五輪男子200メートル平泳ぎ銅メダルの立石諒を育てた高城直基コーチに師事して復調を遂げ、さらなるレベルアップを続けており、3年前の悪夢の払しょくはもちろん、その先の躍動をにらむ。 かつて渡辺が世界記録を樹立した男子200メートル平泳ぎは混戦必至の情勢だ。深沢大和(東急)は急成長を示しており、コナミオープンでは100&200メートルで渡辺を抑えて優勝を飾った。世界選手権などの出場経験はないが、渡辺と同じく高城コーチの下で力をつけ一気に五輪代表の座を狙う。 このほか、2022年世界選手権で銀メダルの花車優(イトマン東京)、200メートルの日本記録保持者の佐藤翔馬(東京SC)ら実力者がずらり。ドーハ世界選手権で5位入賞の広島偉来(明大)も勢いがあり、「2枠」を巡る争いは激しくなりそうだ。 ■復活が期待される鈴木 {page} 12年のロンドン五輪で3つのメダルを獲得した鈴木。「競技人生の中で一番いい経験。来年に向けた課題も見つかった。向上欲が湧くレースができた」と昨夏に地元福岡で鮮やかな復活を証明した。五輪では実施されないが50メートルでは7位、100メートルでは8位と入賞。昨年は両種目で自己ベストを塗り替えるなど、33歳を迎えた現在も成長を示す。派遣選考記録を切っている100メートルは青木玲緒樹(ミズノ)が頭一つ抜け出している状況だが、本番での強さを発揮し続けている「不世出のスイマー」は200メートルとの2種目で2位以内を射程に捉えている。 男子200メートルバタフライでは本多灯(イトマン東京)が2月の世界選手権で金メダルを獲得。エースの状態は上々で、本番に向けて弾みをつけたい。200メートルは本多のほか、森本哲平(近大)ら4人が派遣標準を切る好タイムをマークしており、2位を巡る争いは激戦必至だ。 個人メドレーでは瀬戸大也(CHARIS)に注目が集まる。2月の世界選手権では400メートルで銅と7大会連続のメダルを獲得して、200メートルでは4位。さらに状態を上げて臨む。実績十分の日本競泳界の柱に対して、次世代のエースとの呼び声も高い松下知之(スウィン宇都宮)らが挑む構図となりそうだ。 女子では池江璃花子が2大会ぶりの個人種目の代表権獲得を目指す。今大会では50メートルと100メートルの自由形、100メートルバタフライに登録。前回の東京五輪は白血病の影響でリレー種目のみの出場だった。 女子の個人メドレーは昨年の世界選手権代表で高校2年の成田実生(金町SC)と東京五輪で2冠の大橋悠依(イトマン東進)らが軸となる。
西日本スポーツ