不同意性交容疑の元警視正への退職金差し止め 警察庁は支給しない方針
不同意性交などの容疑で逮捕、起訴された中国四国管区警察局の岩本幸一元警視正=当時(58)=が広島中央署(広島市中区)の留置施設で自殺を図り、死亡したとされる問題で、警察庁が元警視正の退職金について、遺族への支払いを差し止める処分をしたことが、関係者への取材で分かった。 警視正などの退職金について定める国家公務員退職手当法は、在職中に懲戒免職などの処分を受けるべき行為をしたと疑うに足りる相当な理由がある場合に支払いを差し止めることができると規定する。関係者によると、警察庁は元警視正の容疑がこの規定に当たると判断。岡山県警での在職中を含む退職金を支給しない方針で、今後、正式な手続きを進めるとみられる。 元警視正は昨年3月に岡山県警を辞職し、中国四国管区警察局に出向。その後にマッチングアプリで知り合った女性3人に性的暴行をしたなどとして11月以降に逮捕、起訴された。今年1月に広島地裁であった初公判では無罪を主張。2月17日夜に同署の留置施設内で意識不明の状態で見つかり死亡した。公判は打ち切られ、広島地検は別の女性2人に対する容疑も容疑者死亡で不起訴とした。
中国新聞社