沖縄・翁長知事「絶対基地はつくらせないと米に伝える」 訪米前に会見
沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事が20日、東京の外国特派員協会で会見した。普天間基地の辺野古移設に反対している翁長氏は、月末に予定されている訪米で「辺野古に基地は絶対つくらせないと伝えたい」との意向を語った。
会見場の演台の両サイドには、17日に沖縄で行われた県民大会の模様を伝える地元紙の見開き紙面が掲示された。県民大会には3万5000人が集まり、辺野古移設断念を求めた。 翁長氏は、辺野古にはジュゴンがいてサンゴ礁があり、また知事の権限や市長の権限などの絡みもあるので、「そこを埋め立てて基地をつくるのは大変な作業。辺野古に基地を作るのは簡単ではない」と見通しを述べた。 また、先日の県民大会のように、例えば、新基地建設に反対する県民らが辺野古に1000人規模で集まった場合、「海保や機動隊で止めるのは難しい」と現在の沖縄の状況を踏まえて語り、月末に予定されている訪米の際には、「(米側に)新基地は絶対つくらせないと伝えたい」との意向を示した。かつて自民党県連幹事長も務めた翁長氏は「日米安保の重要性は理解しているが、品格のあるものにするためにもう一度考えてほしい」と訴えた。 辺野古移設を拒否した場合、普天間基地の固定化につながると政府側が説明することに対しては、米ラムズフェルド氏がかつて普天間を「世界一危険な基地」と評したことを持ち出し、「そのような危険な基地を果たして固定化できるのか」と疑問を呈した。 沖縄は、太平洋戦争で日本で唯一の陸上戦が行われ、10万人以上が犠牲となった。そうした中、戦後のサンフランシスコ講和条約では、日本の独立と引き換えに沖縄は米国の施政下に置かれた。「沖縄は切り捨てられた。また本土に切り捨てられるのでは、という恐怖がある」と沖縄の心情を代弁した。 沖縄の将来象については、基地を置くのではなく「『平和の緩衝地帯』としてあることを夢見てやっている」と語った。