優勝チームの唯一のハンディ出る…2週間ぶり実戦で初戦を落とした巨人 王者の足が動き出す第2戦からが面白い
◇渋谷真コラム・龍の背に乗って CS特別編 ◇16日 「2024 JERA クライマックスシリーズ セ」ファイナルステージ第1戦 巨人0―2DeNA(東京ドーム) セ・リーグのCSが2007年に始まって17度目(20年は新型コロナのため開催されず)だが、優勝チームがファイナルステージ(09年までは第2ステージ)初戦を落としたのは9年ぶり7度目である。16年の広島から昨季の阪神まで7連勝中だった。 一方で“下克上”は16回中3度しかない。初戦を取った過去6度の下位チームのうち、2チームは王者を土俵の外に押し出したが、4チームは押し出されたということだ。中日はそのいずれも経験している。CS元年の07年は巨人を3連勝で倒し、日本一へと駆け上がった。しかし翌08年も09年も12年も初戦を取ったが、全て敗退している。 「次の年(08年)とかも勝てる! とは思わなかったですね。やはりアドバンテージは大きいんですよ」 07年の快進撃から12年の3連勝3連敗まで、中日はファイナルステージの初戦を6年連続で勝っている。その全てを知っている荒木雅博さんは、決定的なルール変更を見た。中日のあまりの見事な勝ちっぷりにより、08年からは優勝チームに1勝のアドバンテージができた。全戦本拠地、下位チームは少なくとも2人の先発投手をファーストステージで使っている。プラス1勝。つまりDeNAはタイに戻したように見えて、なお巨人が有利ということだ。 「まず今日の試合に勝つこと。先のことを考えず、今日に出し切る。そして今日は終わったんで、明日のことに集中して準備します」 勝った三浦監督はこう会見を締めくくった。2週間ぶりの実戦。優勝チームの唯一のハンディが出てしまった阿部監督は、こう振り返った。 「あれだけ打てなくてもチャンスってできるんだなって思った。そこで一本、ボコって打ってればねってゲームだし」 中日がCSに出るのが当たり前だったころ、落合監督が初戦で見ていたのは球筋やスイングではなく1点だけ。「選手の足が動いているか」だった。さあ、王者の足が動きだす第2戦からがおもしろい―。
中日スポーツ