【山口県】[東ソー]脱炭素化へまた一歩 CO2回収及び原料化設備
周南市の東ソー㈱(桒田守社長)が南陽事業所に新設したCO2回収及び原料化設備は11月初旬から稼働を開始し、21日に完工式を開いた。 総合化学メーカーの同社はウレタンなどに使われるイソシアネートの原料である一酸化炭素(CO)を、石油を生成して得られるナフサから製造。 吸収塔と放散塔の2塔式循環型装置で成るこの新設備では、同社が開発した高耐久性CO2回収アミンを用いることで、CO製造過程で発生する燃焼ガス中のCO2を回収し、CO原料として再利用する。 これによって年間約4万トンのCO2を回収し、ナフサ代替原料として活用することでイソシアネート製品を低炭素化する。
同社は脱炭素へ向けて30年度までに、グループ全体が年間で排出する温室効果ガスを18年度比で30%削減する目標を掲げている。新設備によるCO2の削減量は年間2万トンで、目標の3%にあたる温室効果ガスを削減できるという。 完工式では神事に続いて桒田社長が「CO2回収技術の社外展開、排出量削減、社会貢献につながると期待している」とあいさつ。カーボンニュートラル社会実現への貢献を目指し、さらなる性能向上に取り組んでいく。