山口真帆「NGT48のために」卒業へ 運営側の再生なるか
NGT48のチームN3とチームGが21日、新潟市内の専用劇場でそれぞれ千秋楽公演を開いた。暴行被害を受けた山口真帆は、夜に行われたチームG公演に約3ヵ月ぶりの出演を果たしたが、アンコール歌唱後に「いまの私がNGT48のためにできることは、卒業しかありません」と、グループからの卒業を発表した。長谷川玲奈、菅原りこと同じく5月18日が卒業公演になるという。なお各公演の前には早川麻依子支配人が登壇、暴行事件をめぐる対応の不備などについて謝罪。また、この日の公演をもってAKB48との兼任を解除となる柏木由紀も昼のチームN III公演に出演、ファンに挨拶をした。
NGT48を大切に思う気持ちで千秋楽完遂
公演冒頭で山口は、千秋楽に際しての心境を「チームGのメンバーになれて本当に良かったなと思う毎日で、チームGになってからとてもアイドル生活が楽しかったです」と話した。また、後半のMCではメンバーたちみんなでご飯に行ったエピソードなどを笑顔で話し、NGT48での活動を大事にして過ごしていたことがしのばれた。公演中はあくまで笑顔で務め、“NGT48の山口真帆”としてのパフォーマンスを届けた。 今回、暴行事件と一連の騒動を受けて、既存のチームN IIIとGを廃し、メンバーたちを1期生としてひとつにまとめる形で“心機一転”することになったNGT48。既存2チームの千秋楽公演はその区切りとして重要なポイントだった。久しぶりに山口の笑顔を見ることができたという意味では、ファンにとって嬉しい公演となった。実際、公演は公演として好意的に受けとめる意見がネット上にも躍った。しかし結局、山口との関係修復はならなかったようだ。
問題山積の運営側 逆風の心機一転
山口はこの日、公演前半の挨拶でも卒業発表のMCでも一貫して、チームGメンバーになれてよかった、NGT48になってよかったと話した。それは本当の思いだろうし、だからこそ運営側に正しい対処や対策をして欲しかったのだろう。アイドルとして羽ばたきたいというその思いを持続させ、さらに大きく育てる環境が、残念ながらNGT48にはなかったと言わざるを得ない。 暴行があって約1ヵ月後、運営側の対応に業を煮やした山口自身のネットでの告白という異例の形で発覚した今回の事件。運営会社AKSが3月に開いた第三者委員会報告書説明会も事態収束には程遠く、かえって運営側の不手際が目立ってしまった。グループ全体にとって問題はこれからだ。今回の一連の騒動に対する運営側の不備など、一度ついた負のイメージはなかなか払拭することはできない。とくにメンバー個々と密にコミュニケーションをとるべき運営側が、山口が納得いくような意思の疎通をできなかったのは大きなマイナスだ。被害者である山口の本意を置き去りに事態収拾を優先しようとしているのでは?といった疑問が終始つきまとったことが、ファンの不満や不信感を深める結果につながった。もっとも気をつけなければならないのは「第2、第3の山口を出さないこと」だ。もうメンバーを同じような目に遭わせてはいけない。周囲の見る目がますます厳しくなる中での“心機一転”となるだろう。 そんな中でもファンにとって唯一救いといえるのは、5月18日の卒業公演、そしてその前には5月5日・6日に握手会と、山口を見送る機会があることだ。 (文・志和浩司)