現在、パートナー企業としては200社を超えており、2024年中には300社を目指す。アンカーパートナーは、同社が利用している東京と大阪のデータセンターを運用するNTTコミュニケーションズで、ディストリビューターはSB C＆S、ダイワボウ情報システム、ネットワールドの3社。 　テクノロジーアライアンスパートナー（TAP）としては、VeeamやDell、Milestone Systems、Adobeなどがある（下図）。同パートナーシップにより、例えば、パナソニック インフォメーションシステムズとパナソニック ネットソリューションズが手掛ける映像監視システム「ArgosView」と連携することで、監視カメラの映像を安価に長期保存できるようになっている。 　Wasabiは4月、AI活用のメディアストレージ「Wasabi AiR」を発表している。同サービスは、1月に買収を発表したAIプラットフォーム「Curio AI」を活用し、AIが秒単位でメタデータのタグを映像に付加する。このタグを利用することで、ユーザーが必要とする映像を素早く検索でき、「死蔵されていた大量のアーカイブのマネタイズが可能になり、テープなどの媒体に保存されるデータをクラウド化する意味が出てくる」（脇本氏） 　例えば、バスケットボールの試合映像の場合、バスケットボールの試合であることを判別し、それぞれの選手や会場内にある企業ロゴの識別などを可能にする。 　文字の自動書き起こしもでき、日本語を含めた50言語に対応する。映像を利用した人物検索と組み合わせることで、その人物が特定の言葉を発した場面を検索することが可能になる。 　Wasabiが提供するサービスの事例として、春日井市民病院では、強固なランサムウェア対策構築、ITシステムの信頼性と可用性の向上を目的に医療情報システムのバックアップに活用し、イミュータブルでコスト効率の高いバックアップ・リストア環境を実現した。 　宅配収納サービスを展開するサマリーでは、自社サービスの維持に不可欠な作業記録動画データを「Amazon S3」からWasabiへのバックアップ先変更でストレージコストを3分の1に削減している。 　また、9月12日に発表された事例である、人気アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズの製作会社カラーは、クラウドストレージプロバイダーとしてWasabiを選定し、ストレージの運用と500TBのアーカイブデータをオンプレミスからクラウドに移行した。Wasabiが提供する低コスト、高性能なクラウドストレージにより、運用管理コストの80％減が見込まれているという。