【フローラS展望】〝大物感〟あふれるクリスマスパレードが樫の切符を奪取へ 未勝利Vから参戦の〝惑星候補〟が一気の台頭狙う
[GⅡフローラステークス(オークストライアル)=2024年4月21日(日曜)3歳牝、東京競馬場・芝2000メートル] 近10年、フローラSを経由してオークスに出走した馬は44頭おり、1勝、2着3回。勝率2・3%、連対率9・1%と本番でなかなか結果を出せず、王道組の厚い壁にはね返されている格好だ。ただ、のちにGⅠエリザベス女王杯を勝つモズカッチャン(17年)や海外GⅠ(香港ヴァーズ)を制するウインマリリン(20年)といった将来の活躍馬を出しており、オークスだけなく先々まで見据えた実力馬を発掘したいレースでもある。 今年はハイレベルとされる牝馬路線。王道組は例年以上に層が厚そうだが、東京2400メートルの舞台で逆転をイメージできる馬がここから現れるか? 大半が1勝馬という組み合わせだけに、必然的に数少ない2勝馬が実績上位の立場に。クリスマスパレード(加藤士)は芝の2000→2200メートル戦を牡馬相手に連勝して2戦2勝。〝大物感〟があるだけでなく、まさにオークスを意識したようなローテーションであり、ぜひともここで権利を手にしたいところだろう。他方、コスモディナー(伊藤伸)は昨夏のクローバー賞勝ち後はなかなか結果が出ていないが、強敵相手にモマれてきた強みはある。初の2000メートルさえこなせれば上位争いがあっても。 これらに立ち向かう1勝馬(賞金400万組)はここで一気に大舞台の切符を狙う。アドマイヤベル(加藤征)はフリージア賞でクビ差の2着。当時は急きょの乗り替わり(横山武→三浦)もあった中で牡馬相手に好走して能力と距離適性をアピールした。 エルフストラック(中村)は先行力としぶとい粘り腰が開幕週にフィットしそう。距離延長がプラスに出そうなレースぶりのラヴァンダ(中村)も豊富なキャリアを武器に上位進出を狙う。また、同舞台での未勝利Vが強烈だったカニキュル(菊沢)にも警戒が必要だろう。 ただ、最大の惑星候補はGⅠ馬ドゥラエレーデを兄に持つバロネッサ(田中博)だ。東京芝1800メートルの前走はのちの皐月賞馬ジャスティンミラノが制した同日のGⅢ共同通信杯=1分48秒0を上回る1分46秒2の好時計勝ち(いずれも良)。道中のペースに差があったにせよ、2番手から最速上がりタイの末脚を繰り出したレースっぷりからも一気に台頭できるポテンシャルを秘めているのは間違いない。
東スポ競馬編集部