『薬屋のひとりごと』壬氏は一体何者なのか 阿多妃&羅漢が謎を解く鍵に?
後宮に起こる謎めいた出来事を、主人公・猫猫が持ち前の薬の知識で解決していく面白さが視聴者を惹きつける『薬屋のひとりごと』。現在、猫猫と共に様々な謎を解決していく中でアニメの視聴者の間で浮上しているのが、「壬氏は一体何者なのか?」という疑問だ。 【写真】『薬屋のひとりごと』第23話先行カット(複数あり) 猫猫が祭事に乱入した際、壇上で危険に晒されていた人物が壬士だったことにより、猫猫も彼について「こんな大がかりな事件で命を狙われるに値する人物……?」と頭をひねっている。さらには、街歩きで焼き鳥を一緒に食べた際に、宦官にもかかわらず、なぜか“野営”を振り返るような発言をするなど、怪しさ漂う場面が続いている。 公衆の面前では、美しい笑顔を振りまきながら、妖艶な所作を披露する壬氏。一方で、付き人である高順や猫猫といった身近な存在の前では、素の表情をよく見せる。第2クールの中でも、変装で着飾った猫猫に頬を赤らめるシーンや、猫猫が自分ではなく別の男性を頼る際には嫉妬心を隠さない様子など、猫猫と一緒に過ごす時間を通じて、多彩な表情を見せているところだ。そのギャップが彼のたまらない部分なのだが、やけに達観した物事の考え方や、ときおり見せる寂しげな表情がときおり妙に引っかかる。 ●壬氏と似た特徴を持った阿多妃 壬氏の謎を解明する鍵となるのは、“現皇帝の最初の妃・阿多妃”の存在だろう。中性的で妖艶な雰囲気を持つ阿多妃は、壬氏と似た特徴を持っていると猫猫は感じている。猫猫だけでなく、同じことを感じた視聴者も多いのではないだろうか。 猫猫は阿多妃が経験した出産とその複雑な背景と、その子が壬氏である可能性について推測していた。阿多妃にまつわる過去の出来事、特に現帝が東宮であった時代に彼女が子を持ったこと、そしてその子が不運な出産の結果、入れ替えられた可能性があることなどは、「壬氏が誰であるか」についての重要な手がかりに繋がっているのかもしれない。 もしこの仮説が成り立つのであれば、阿多妃と現帝の息子である壬氏が取り替えられて、現帝の弟として生きていることになる。しかし、壬氏自身は自分と阿多妃の真の繋がりに気がついていない様子。ちなみに入れ替えられた皇帝の子は、侍女の風明が赤子には毒となると知らずに蜂蜜を与え続けたことによって、既に死亡したことが描かれている。 ●壬氏の真の姿を知る羅漢 一方で、猫猫の生みの親である羅漢は、壬氏の真の姿を知る数少ない人物の一人であるようだ。猫猫を一方的に気にかけるという点で、羅漢と壬氏には共通する側面があるが、猫猫からの受け止め方は大きく異なる。猫猫は羅漢のことを強く嫌悪しており、壬氏が彼の名前を口にするだけで、強烈な拒絶を示していた。 物語の中で「壬氏に対してしつこく絡む存在」として登場する羅漢。「あなた様に逆らえるものなど、片手の指ほどしか存在しない」と告げた時、壬氏が「やはり俺の正体に気がついている」と警戒する様子が描かれていた。しかし、羅漢がなぜ彼の正体を知っているのかは未だ謎に包まれたままだ。壬氏の正体を知る人物として、羅漢の動きからも今後は目が離せない。 さらに、第20話では壬氏が「24歳の美しい宦官」として振る舞う一方で、実際には高順の息子と同じ19歳であるという事実が明らかになった。猫猫が17歳の設定であることを考え合わせると、時折彼に感じていた“子どもっぽさ”も納得である。彼が本当は宦官ではなかったとしても、壬氏を敬う高順の振る舞いや正体を知る羅漢の反応から、高位の人物である可能性は極めて高いだろう。 猫猫や高順の前で見せる青年らしさがかわいらしい壬氏だが、ここまでに揃っているヒントをつなぎ合わせると、その生い立ちはかなりシリアスな空気が漂っていそうな予感。さまざまな難事件を解決してきた猫猫は、壬氏の本当の姿に辿り着くことができるのだろうか。
すなくじら