＜オ・西＞10回、サヨナラ適時打のボールを初勝利のマチャドに譲ったオリックス・紅林（撮影・井垣　忠夫）

　◇パ・リーグ　オリックス4ー3西武（2024年4月24日　京セラD） 　勝負強さを増す男が、またも劇的勝利を呼び込んだ。オリックス・紅林が11日の楽天戦に続いて今季2度目のサヨナラ打。守護神・平野佳が9回に3点リードを追いつかれる苦しい展開をはね返し、チームに今季初の3連勝、同最多の貯金2をもたらした。 　「抜けたかな…と感じはしましたけど、結構興奮していたので覚えていないです」 　3―3の延長10回2死二、三塁で、本田のチェンジアップを左翼線へはじき返した。歓喜のウオーターシャワーで丸刈りの頭をずぶ濡れにさせた22歳の若武者に、最後は前回のサヨナラの際、まさかの“スルー”をかまされた中嶋監督から手荒い頭突きの祝福が待っていた。「何もしていないですよ」ととぼけた指揮官とは裏腹に、「きょうは何されるんだろうと思って行ったら…。監督も帽子を後ろにして構えていたので、ちょっと考えていたのかなと」と満面の笑みを浮かべた。 　「髪の毛がなくなって、凄くボールが見えやすい…というのは冗談ですけど、いい感じで気持ちの切り替えができ始めている」 　「3番・遊撃」定着へ、過去3年は21年から順に・230、・241、・236で課題に掲げていた得点圏打率はここまで・385。「頭を使えるようになってきた」とうなずいた背番号24に、中嶋監督も「ああいう場面で、ちょっと期待できるようになってきている」と目を細めていた。（阪井　日向）