国民スポーツ大会（国スポ）が10月5日、佐賀県で開幕（一部競技は会期前に実施）する。国民体育大会（国体）として親しまれてきた大会は今年、名称を変更した。1976年の若楠国体以来、48年ぶりに佐賀県で開催されるスポーツの祭典「SAGA2024国スポ」で活躍が期待される選手を紹介する。 【写真】地元開催で活躍を誓うスポーツクライミング・通谷律選手

陸上少年女子Aやり投げ　福永実由選手　18（福岡）

優勝を目指して挑む福永実由選手

　今夏、地元で開催された全国高校総体（インターハイ）の女子やり投げで48メートル03をマークし、初めて日本一に輝いた。国スポでも「優勝を目指したい」と高みを目指す。

　小学時代は野球、中学時代はソフトボールに打ち込んだ。福岡・朝倉高に進んで、「雰囲気が良く、楽しそう」と陸上を始めた。最初は短距離とやり投げを掛け持ちしていたが、肩の強さを見込まれ、2年生からやり投げに専念している。

　走る練習は学校で積んだ。やり投げ専門の指導者はいなかったため、外部の専門家が県外で開いている練習会にも参加。助走のスピードをやりに伝える体の使い方や腕の振り方などの技術を習得してきた。

　当初は飛距離が伸びず、インターハイに出場できるレベルではなかったが、今年は地区予選で自己ベストとなる48メートル59を記録し、全国も制覇と成長著しい。陸上部の蓮尾啓祐監督（40）は「学んだことを忠実に反復し、確実に自分のものにしてきた」と感心する。

　「あまり硬くならず、まずは自分の投げをできるようにしたい」。総体女王に気負いはない。