「いい子にします!」涙の誓い 岩手・洋野で伝統の「なもみ」
洋野町大野の林郷地区に伝わる小正月の伝統行事・なもみの体験会「なもみが来る」が12日、同町の種市海浜公園と道の駅おおので行われた。子どもたちは「悪いわらしはいねがー」と迫る鬼の姿に恐れおののき、「いい子にします!」と涙声で誓った。 なもみは、秋田県の「なまはげ」に似た伝統行事。鬼の姿をした神の使い(なもみ)が、子どもの健やかな成長や無病息災を願う。同町では現在、林郷青年会(西君治会長)が小正月に地区内を巡回するほか、数年前からPRを兼ねて集客イベントを行っている。 何も知らず種市海浜公園に集まった子どもたちは、太鼓の音とともに登場した赤、青、白の面の3柱に、早くも悲鳴を上げた。なもみに抱きかかえられて「何でも食べて大ぎぐなれー」「ユーチューブばっか見でれば目悪ぐするぞー」などと具体的に詰め寄られ、反省するさまを保護者らに撮影された。 昨年に続いて参加した同町の袖山想大(そお)ちゃん(4)も、にこやかな表情がなもみの登場で一変。「嫌だー」「ママのうそつき!」と泣き叫んで逆に目立ってしまい、3柱から真っ先に迫られた。「いい子にします! もう帰して!」と声を枯らし、泣き疲れた様子で母親にすがっていた。
デーリー東北新聞社